メキシコはこれが3回目、しかも今年の5月にコスメルに行ったばかり。そんなにメキシコが好きなの?と聞かれれば確かにメキシコは素晴らしい。料理も旨いし人々が陽気でフランクなのが何より好きだ。だからって訳でもないのだが、今まではすべて東側だったが今回はメキシコの西の外れ、テロンとぶら下がるバハカリフォルニア半島の南端を目指す。この海域にアシカのコロニーがあって、 毎年9月下旬から11月にかけてアシカの赤ちゃんと戯れることが出来るというのだ。
好奇心旺盛なアシカの赤ちゃんは、ダイバーを恐れるどころか興味津々で寄ってきてダイバーと遊ぶという。こんな話を聞き写真を見たのが3年前だった。以来、行きたい!行きたい!で3年が過ぎ、今回ようやく夢が実現したのだった。それもこれも羽田空港深夜便が就航したからで、
これまでは成田発で最低でも8日間を必要とした。それが羽田深夜便が就航したおかげで、7日間あれば行って来られるようになったのだ。
金曜日。仕事を終えて帰宅しアタフタと手荷物をまとめる。機材などは既にパッキングし羽田に宅配手配済みだ。20時、バタバタと電車に乗った。数駅行ったところで忘れ物に気付く。
「ダイコン忘れたぁ~!」。戻って取ってくるには時間が足りない。パスポート忘れなかっただけでも良しとしよう。予備のダイコンを機材バッグに入れてあるからそれで代用しよう。それにしてもしかし、最近歳のせいか物忘れが多いゾ
ラパスへはロサンゼルス空港かケネディ空港経由でサンホセ・デルカボへ飛ぶのが一般的。
メキシコシティに行き、そこからローカル空港のラパス空港へ飛ぶ方が楽なのだが、メキシカン航空のフライトがアバウトなので避けた方が良いらしい。
土曜の深夜12時40分、デルタ航空はロサンゼルスへと飛んだ。ロスまでは所要時間約12時間。到着は現地時間夕刻16時過ぎとなり、空港至近のホテルで一泊し翌朝ラパスへ向かう。
マリオットホテルからの夜景 機内では寝ないでロスで爆睡するってのもありだけど、私は搭乗前にお酒を頂いていたので着席するなり離陸前に夢の世界へと飛んで行ってしまった。途中で寒くて目が覚めた。窓側の席は冷風が直接吹き付けてくるから嫌なんだよなぁ。
ロスに到着し入国審査を終え、荷物を引き取ってシャトルバス乗り場を探した。
 
送迎無料のシャトルバスがいるはずなのだ。赤いバスがそれだと聞いたけど、赤いバスなどどこにもない。目の前を色は違うけれど、いかにもそれっぽいバスが止まったので運転手に聞くと、その無料送迎シャトルバスだった。空港近辺のホテルを順繰りに回るバスで、私たちが宿泊するマリオットホテルは一番目だった。まだ夜には早いのでダウンタウンまで繰り出してディナー、 流石メキシコ!空港出たらビールにテキーラ売ってる! ってのも良いのだけれど、その気力は既に無し。ホテル内で済ますことにする。しかし、ただ寝るだけなのにデカ過ぎるぞ、このホテル。周辺のホテルもみんな大きい。アメリカだから小さいホテルを探す方が無理だろうけれど、部屋からレストランへ行くのに10分もかかる。
翌朝、11時20分発のアラスカ航空でサンホセ・デルカボへ。フライト時間は約2時間30分。
ロスとラパスとの時差は1時間。ラパスの方が1時間遅い(サマータイム)。現地時間で到着は3時近い。機内で昼食は出ないので到着してから食べようとロスでサンドイッチとバナナを買った。しかしメキシコ入国の際にバナナはダメよ、と没収されてしまった。
サンホセ・デルカボ空港からは車でメキシコらしい景色が続く中をひた走る。走行約3時間。
カルフォルニア湾が見えてきた! 私たちが行ったこの時、メキシコではアメリカ$からの換金が出来なかった。アメリカ$は使えるけれどお釣りがすべてメキシコペソとなった。
そのペソだけれどメニューなどの表記は$。料金表示に0が多くてビックリするけれどペソなのでご安心。この時のレートで10ペソは約$1だった。物価は安い。ビールが1缶日本円にして150円ほど。
ラパスでは町からちょっと離れたラ・コンチャ・ビーチリゾートに宿泊。チェックインして町中のホテルの方が良かったかな、ちょっと後悔。レセプションの対応は悪いし、ビーチリゾートとは名ばかりでビーチは決して美しくもない。しかし翌日、町中に宿泊する方と一緒になり話を聞いたら、夜中でも車の騒音がうるさくて眠れないと言っていた。 至る所にサボテン 部屋に荷を解きダイビングショップへ。明日の予定を確認する。ユウスケ君という日本人スタッフがいてくれて助かった。
翌朝8時15分集合。クルーズ・トリップ組は7時過ぎに出航していった。目的のアシカコロニー「ロスイスロテス」までスピードボートで約90分。私達にあてがわれたボート、足は確かに速いけど残念ながら日除けが小さくトイレも無かった。
さてアシカコロニーのロスイスロテス。約400頭ほどのアシカが生息してるそうな。アンカリングの最中「グァ~!」「ウェ~!」とアシカの叫び声が聞こえてくる。深夜の駅でよく聞く声にそっくり。エントリーするなり目前を成人アシカが横切った。 赤ちゃんアシカは洞窟のような所に群れて遊んでいる。時々大きなお母さんアシカが子アシカ達の様子を覗きに来た。 ショップはコルテスクラブ。ペンギンが餌のおねだりに集まってきた。 あまりコロニーに近づきすぎるとオスのアシカが威嚇してくるそうだ。襲われることは無いらしい。ダイバーの眼前でブフォッ!と泡を吹くそうな。それも見てみたっかたな。
アシカと遊んだ後は「ネイキッドレディ」へ。この2本目、突然耳抜きがしにくくなった。変だなぁ、と思いつつ3本目を潜ったときにはやけに冷たい。ダイコンを覗くと水温は28度。
冷たく感じるような水温ではない。結局、ダイビングを終えてホテルに戻ったときにはかなり高い発熱。行きのフライトと前夜のクーラー(これも直撃だった)にどうやらやられたらしい。この夜、タコスパーティーに誘われた。折角なので参加はしたけど、どんな会話をしたのかまるで記憶に無し。タコスが美味しかったのとテキーラ飲んだのは覚えていたけど(^^;)。 アシカのコロニー・ロスイスロテス 翌日は完全にダウン。ショップのメキシコ人スタッフが心配して私のために薬を買ってきてくれた。私は丸1日寝ていた。
翌日。買ってきてくれた薬のおかげでなんとか復活。体はまだダルいけれど熱は収まったのでダイビングに行くことにした。この日は遠出してハンマーヘッドとジンベエ狙いの予定だったのだ。しかしウネリが高く予定変更。残念!
実は昨日、朦朧としていた私にも分かったほど風雨が凄かった。ダイビングには出られたけどかなり大変だったようで、町中滞在のご夫婦は、よほど懲りたのか今日は潜らないと中止。ある意味、私はラッキーだったのかもしれない。もう一つの目的だったハンマーヘッドに会う目的は叶わなかったけれど、ラパスのダイビングを楽しく無事に終了出来た。 ラコスタの食事 ラパス最終日の夜、再び町に繰り出した。ホテルからタクシーで10分ほど、料金は片道100ペソ也。
一昨日はタコスだったので、この日は地元でも人気のシーフード店「ラコスタ」に入った。大きなエビとこれまた大きなカニの爪を4本、そしてクラムチャウダー頼んだら、二人で食べきれなかった。ビールにテキーラ飲んで締めて約6000円ほど。
ラパスは小さな町だ。端から端まで歩いても20分ほどだろう。色んなレストランがあるけれど、地元の人が入ってる店を選べばまず間違いない。
さてラパス。いつものことだけれど、やっぱり7日間では物足りない。ジンベエにもハンマーヘッドシャークにも会えるし、時にはアシカのコロニーでアシカを狙いに来たシャチに遭遇することもあるそうな。
シーフードレストラン・ラコスタ そんな海域に3日間しか潜らない(私は2日だったけど)のは、ここまでの道程を思えばもったいない限りだ。食事も美味しいし、メキシコ人は陽気で明るいし、そして優しい。メキシコは素晴らしい。だけど遠い。再びメキシコに行くことはあるかなぁ? きっとあるだろうな。


【2013年11月・記
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