何かと気遣いしてくれたスタッフ 離島する時、ずっと手を振ってくれていたスタッフ達
滞在記の中に書き連ねてもあるけれど、本当に素晴らしいホスピタリティーだった。アコモデーションが充実していたり施設自体が立派なのは探せばいくらでもあるだろうけど、従業員の接客態度が良い所はそうそう無い。接客では最高のレベルだというリッツカールトンが、あんな南海の孤島にホテルを建てたわけではないのだ。
ゲーノージンが良く行くという高級リゾートにも行った事があるけれど、その接客は時に慇懃無礼であったりベタベタし過ぎたりだった。しかし、エルニドのスタッフ達のサービスは、ゲストに付かず離れず、そして何と言っても笑顔が最高だった。

●後記

ここ数年、恵まれたことに随分と色んな旅行、ダイビングをさせてもらっている。趣味といえばダイビング(=海外旅行)とサッカー。あとは酒くらいのものだから、酒さえ贅沢しなければあとは如何に休暇を確保するかだけだ。
そんな訳で、休暇が取れるとなると殆ど海外へ飛び出している。まさにエピソード@に書いたタマキングこと宮田珠己のような事をしているわけだが、そんな私たちが出向いたリゾートの中で、ここエルニドのミニロックはナンバー1になった(2008年3月現在)。
ハシナガチョウチョウウオ ハナヒゲウツボ
カクレクマノミ オニカサゴ
とっても大きなゴシキエビ ヤッコエイ
ヨロイウオ ホシカイワリ
見事なテーブルサンゴ 和名が判らないブルーニー
●3月21日(金曜)

1本目=ウェストインタールーラー
ミニロックから南へ10分ほど行った島影のポイント。島の壁沿いを散策した。ボートの上には私を含めて6人のダイバー。先頭をマイク、最後尾をアミがついた。しかし、大人数で潜ったのはこれが最初で最後になった。
最大水深=21.6m、平均水深=12.7m 潜水時間=43分 透明度=15m 水温=25.5℃
【見られたサカナ】ムカデミノウミウシ、シンデレラウミウシ、カクレクマノミ、ナンヨウミノカサゴ、ハシナガチョウチョウウオほか

2本目=サウスニミロック
ミニロック南端突端に当たるあたるポイント。サンゴの群生が見事だった。
最大水深=15.7m、平均水深=10.1m 潜水時間=40分 透明度=15m 水温=26.1℃
【見られたサカナ】オニカサゴ、ハナヒゲウツボ、アカヒメジほか

本目=アブディーンズ
イバラカンザシが見事だった。しかもすぐそばまで近づいてもなかなか殻に入り込まない。警戒心が無いんだなぁ。透明度が悪かったのが残念。光が差し込めば最高に綺麗な景観を楽しめたはず。

最大水深=12.2m、平均水深=7.8m 潜水時間=48分 透明度=8m 水温=26.1℃
【見られたサカナ】イバラカンザシいっぱい、大きなイセエビ、ヨロイウオほか


●3月22日(土曜)

1本目=ポポロカン
ミニロックから南に15分ほど行ったポイント。島の壁沿いに潜行して砂地の海底を横切るといくつかの岩場が根となっている。本当だったらウミウチワやイソバナが咲き乱れて大型回遊魚とも遭遇できるらしいのだけれど、生憎のニゴニゴ。

最大水深=30.9m、平均水深=14.5m 潜水時間=42分 透明度=5〜10m 水温=25.5℃
【見られたサカナ】ヤッコエイいっぱい、レッドアンドブラックアネモネフィッシュ、大きなクラゲいっぱい

2本目=ノースロック
大きなテーブル珊瑚が至る所にある。枝サンゴの群生も見事で、地形も楽しめるポイント。浅場なので光が差し込んでとても美しいポイントだった。

最大水深=17.7m、平均水深=8.6m 潜水時間=50分 透明度=15〜25m 水温=26.5℃
【見られたサカナ】ホシカイワリ、超でかいニシキエビ、デバスズメダイ、アカククリ、ブルーニー(和名不明)ほか
そんな優遇処置を受けていたのだけれど、初めにも書いたように当初はガンガン潜るつもりでいたのだけれど、結局5本しか潜らなかった。それは、この島でダイビング三昧で終わってしまうのはもったいないと思ったからだ。
海中の景色もそれなりに綺麗だったけれど、陸地の景色はとっても美しい。サカナとばかり戯れていないで、自然そのものを満喫した方が良いと思ったからだ。

●ダイビング

エルニドのダイビング・スタイルは、基本的に午前2本でおしまい。午後はそれぞれのリゾート・ライフを優先するようだ。勿論、午後にもダイビングを希望すればたった一人でもボートを出してくれる。
私は初日の午前中だけ他のダイバーと一緒になったけれど、あとはいつもマンツーマンの一人だった。本格的に潜ろうとしてるのが私しかいなかった所為だと思う。午後にも潜るという外人ダイバーがいたけれど、午後のダイブも翌日のダイブも一緒になることはなかった。私のために別立てで船を出してくれていた。
種類が多すぎて選べられない 写真は満潮のものです ちょっと珍しい夕焼けとお月様月の明かりで本が読めそう まるでプールのような海面を移動中
30種類以上ものソースが並ぶ ミニロックの可愛らしいビーチ 夕焼けと一緒に月が出てきた まさに鏡のようなベタ凪
朝食も夕食もブッフェ・スタイルだった。ブッフェ・スタイルはあまり好きでは無いのだけれど、味がアジア系とあって美味しかった。そして何より助かったのがソースの種類が多いこと。食材を選んで好みの調理法で料理してもらうのだけれど、好みの味を選べるのは助かった。でも、種類が多すぎてどれを選んだら良いか判らなかったけれど(~_~;) コックさんに何のソースか聞いても説明される単語が聞いたことの無いものばかりで、結局、魚の醤油とオイスターソースなど、知ってるもので調理してもらった。
島で楽しめるアクティビティはスノーケリング・ツアー、体験ダイビング、アイランドホッピングにピクニックランチ、フィッシング、ウィンドサーフィン、カヤック、時間を聞き違えて行けなかったアイランドホッピング、トレイルハイキング、ココナッツハット・メーキング、ラグーン巡り、サンセットクルーズなどなど。どれも無料でした。体験ダイビングも!(ほんの数分のダイビングだったけど)。
自分はダイビング三昧しようと思っていたのだけれど、海に潜ってばかりはもったいないと思い、結局5本しか潜らなかった。
食事の一部。一杯で食べきれなかった ランチでの景色。向こうにミニロックが見える こちらもピクニック・ランチでの景色
ダイビングやマッサージなど、一部を除いて殆どのアクティビティが無料なのだけれど、驚いたのはピクニック・ランチ。日なたが嫌いなので躊躇していたのだけれど、スタッフに絶対に楽しいから、と薦められて行ってみると、3人ほどのスタッフが既に島に上陸して、私たちのためにテーブルからパラソル、昼食を用意してくれていた。しかも、上陸した島には私たち以外いない。島がいっぱいあるのでゲストが分散されるのだ。食事の用意が完了するとスタッフはリゾートに戻ってしまうので、まさに島一つを独占状態となる。波の音と鳥のさえずりしか聞こえない絶景の場所での食事は最高だった。
出発の時間を聞き違えてアイランド・ホッピングに行きそびれてしまったけれど、その日の夕方にフィッシング・ツアー出かけた。20p程度のスナッパー(鯛の仲間)が4匹ほど釣れた。てっきりリリースするかスタッフの胃袋に収まるのかと思っていたら、調理方法を聞かれてその日の夕食時にテーブルまで持ってきてくれたのだ。
島に上陸するなりこの島のモットーを聞かされる。

写真以外は何も取らないこと。
足跡以外は何も残さないこと。
時間以外は何もつぶさないこと。


当たり前のことなのだけど、なかなか結構出来ないんだな、これが。そのため各部屋にはバナナの葉で編まれたショルダーバッグの他に、ツアーの際に使用してくださいとエコバッグ(ゴミ袋)が置かれていた。
随分と色んなリゾートに行ったけれど、2008年3月現在このリゾートがNo.1。何が良いかというと、まずコテージの数が少ないこと。そして1番はスタッフが素晴らしい。ベタベタせず、かといってしっかりゲストの方を向いている。
バンカーボートから望むミニロック 私達が泊まったビーチビュー・コテージ 室内はとっても清潔で広かった
ミニロック遠景。ホントに小さい!狭い! ビーチビューのコテージ 部屋もベッドも広くて使いやすかった。
このジプニーに乗って桟橋まで 足元が少々不安(-_-;) バンカーボートに乗り移る
フィリピンおなじみのハデ派手ジプニー。 この桟橋を渡って小型ボートに乗り込む 小型ボートからバンカーボートへ乗船
滑走路のど真ん中を歩く人が! 離着陸時はこんな具合 画像をクリックするとおばちゃん合唱隊の歌が聴けます そばに寄ったら顔をそむけた!
滑走路は砂利。人が歩いてる! 着陸時は砂煙ぼうぼう おばさん合唱団のお出迎え 素知らぬ素振りの水牛
待合い室は綺麗で冷房も効いていて、いかにも“リゾート専用です!”って感じだけれど、結構えげつないかも。といっても適当な部分もあるわけで、いかにもフィリッピンって感じだった。
搭乗手続きが終わるとカードを渡される。A-15とか書いてあるから座席指定かと思ったら単なる整理券で、座席は自由だった。アルファベットは乗り込む飛行機の番号、数字は単に搭乗客数の数合わせのよう。座席指定だとばかり思っていたので、飛行機に乗り込んだときには前の方の座席は全部埋まっていた。けれど、そのおかげで私は最後尾の3人掛けの席を一人で独占。もしも搭乗客が少ないようだったら、この最後尾の席がお薦めです。リクライニングは出来ないけど左右の窓の景色が見える。
ちなみに往路に関しては左側の方が良い。左手は島影が見えるけど右側は海ばかりだ。でも横井庄一さんがいたルバング島は右手に見えてくる。座席に航路マップが用意されていて5分ごとの通過位置が記されていた。エルニドまで約75分の遊覧飛行だ。
エルニドに向かう専用機は19人乗り。全ての荷物、そして乗客の体重もしっかりと計量する。この時、重量制限があるだろうと予測はしていたけれど、勝手に20sと判断。バッグ重量を一生懸命20sにしたのに一人15s以内なのだという。二人分合わせて9sのオーバー! 
1sに付きUS$1の超過料金がかかるというのです。そりゃないでしょう、ダイバーに15s以下の荷物にしろってのは無理な注文だ! と少し文句言ったらアッサリと3月一杯はOKだ、との返事。何で3月なら良いのか意味不明だった。
しかし、帰国後に他の人の記述を読んでみたら、誰にでも言うみたい。きっと今年の3月いっぱいならOKなのでは無く、適当に返答していた感じ。いつもそう言って払ってもらえればラッキー、てな調子なのではないか? ゴネれば何とかなるみたい。

実は帰国時もミニロックでの軽量時に重量オーバーだと言われた。この時は「来るときは3月いっぱいダイバーならOKだって言ってたけど…」と言ったら「じゃあ、OKだよ」。何だか適当だなぁ。
女性も乗らなくてななりません コーヒーとスナックのサービス 上翼機なので景色を見るには都合がいい 後方の座席はちょっと寒いです
計量風景 光ってるカードが搭乗整理券 エルニド専用機 エルニド専用機機内風景
下中の写真がわたし達が宿泊したコテージ。で、右がその室内。広くて使いやすかった。ベッドの上にはやはり葉っぱで作られた岩ツバメ二匹がメッセージと共に置かれていました。

お風呂は残念ながら無い。シャワーのみ。水が貴重なのでお風呂なんかは設置できないのでしょう。飲み水は毎日1本、ペットボトルが届けられる。
バスケット、卓球、ダーツ、ビリヤード、マッサージルーム、託児所、そしてダイニングとバー、あとはダイビング・ハウスやアクティビティのレセプションとお土産ショップ。コテージは水上コテージや2階建てのクリフコテージのほか全部で40棟ほどの、本当に小さなリゾートだ。

●ミニロック・リゾート

バンカーボートからミニロック・リゾートが見えてきたとき、なかなか感動的だった。島を右手にグルッと回り込むと突然、リゾートが現れる。背後に迫る切り立った山、そして小ぢんまりした白い砂浜があってその背後にコテージが並ぶ。左手には水上コテージがエリアを包むように並んでいる。こんな小さい(狭い)場所が好きだ。広くて人がワサワサいるような場所は、あまり好きではない。
ミニロックに上陸した時も歓迎の歌で出迎えられた。歌が好きな国民だったっけ、フィリピンって? フィジィはみんな歌が好きで誰かしらがギターかウクレレを持っていて、何かといえばみんなで歌い出していたけど。
ここエルニドからはバンカー・ボートで各リゾート(といってもミニロックとラゲンの二つ)に向かう。

わたし達が滞在するミニロックまでは約45分。その時々によってバンカーボートへの乗り込み方が異なるようだけど、わたし達が利用するときは滞在していたミニロックでも、いったん小さなモーターボートに乗り込み、沖合に停泊してるバンカーボートに乗り込むスタイルだった。波があるとちょっと怖い。 
【周辺地図】
エルニドに到着するとおばちゃん合唱隊の歌声が迎えてくれた。牛車で飛行場までやって来たのかと思ったら、この牛車は単なるディスプレイ的存在のようです(笑)。飛行機が到着する時間になると、裏手から皆が集まってきました。
ロビーに入ると取り敢えずのウェルカム・ドリンクが用意されていた。甘いアイスティーだった。まだ、現地の状況を良く把握していなかったので、味見だけで辞めておく。初日から下痢していてはシャレにならないから。
入国審査が終わってバッグを引き取ったら、まず両替所へ向かった。ペソを使用することは殆ど無いと思うのだけれど、帰国時に空港使用料をひとり750ペソ取られる。どうせ必要なのだからと、税関を抜けた所にあった換金所に何人か並んでいたのでわたし達も並んだら、隣の窓口のおばちゃんが「こっち、こっち」してる。きっとどっちに並んでもレートは一緒だろうと、おばちゃんの方で1万円をペソに換金した。3700ペソちょっとになった。
実は帰国後に換金レートを調らべたのだけれど、ちょっとぼられたようだ。手数料を差し引いても4000ペソくらいになって良いはずだった(2008年3月時点)。事前によく調べて行かないから、こういうことになるんだぞ! って、それは私です^^; でも、乗り継ぎの事を考えると、300ペソ(約700円)ですったもんだしていて乗り遅れてはバカバカしい。だからあれで良かったのだと、無理矢理納得することにした。

●エルニドへ

エルニドに行くにはまず、フィリピンのマニラに行かなくてはならない。そこから専用機でエルニドへ飛ぶ。その専用機が飛び立つ空港は、このマニラ国際空港と同じ敷地内にあるのだが、入国審査終了後にこの国際線の建物からいったん外に出なくてはならない。建物の外で待ち受けしているタクシーを拾って、この飛行場をグルッと半周し、専用機専用のビルに向かわなくてはならないのだ。何ともバカバカしい限りで、空港内にバスでも用意してくれれば、きっと5分もかからずに着けるだろうに、渋滞の激しいマニラ市内を抜けて空港の敷地を反対側までグルッと回って行かなくてはならない。渋滞の程度にもよるだろうけど、この時で約10分ほどかかった。
この無駄なトランジット方式のために、周辺の渋滞はますますひどくなる。まったく、フィリピン人の考えることが良くワカラン。ちなみに国内ローカル線への乗り継ぎでも同様なのだそうだ。
さて持参するものを準備しなくてはならない。
今回の現地滞在は4日だけれど、実質まるまる利用できるのは2日間だけだ。帰りの時の煩わしさを思うと、ダイビング機材はマスクにシュノーケル、レギュレータとBCだけにしてウェットスーツはレンタルしようかとも考えた。日程表を見ると、現地を離れるのは早朝。きっと前日までガンガン潜り倒すだろうから、ウェットスーツが朝までに乾くか心配になったのだ。
しかし、何と言っても行き先はフィリピン。なにも仙人の大名ダイビングで有名だけど、レンタル機材に関しては甚だ心許ない。ダブダブでも困りものだしキツキツでは楽しく潜っていられない。
結局、迷った末にウェットも持参することにした。だいたいそのウェットも昨年、新調したばかりなのだった。せっかくデビューしたというのに物置の中で日の目も見ずにいるのも可哀想というものだ。
結局、ウェットスーツ持参して正解だったのだが、その経緯は潜水ページにて。

●プロローグ
          (※文字のサイズは「中」以下でご覧ください。)
2008年3月21日、この日は金曜日。前日は3月20日、春分の日。金曜日に休暇を取れば4連休になる。当然のことながら、この連休を有効に利用しない手はない。ということで、カミさんに一任していたニッポン脱出の計画の行き先はエルニドだった。
休日も近づいてきて、さてボチボチ旅の準備をしなくちゃなと思い、どこに行くのかとカミさんに聞くと、エルニドだという。
どこかで聞いたことあるなぁ、黄金郷とか呼ばれてたっけ? と思ったけどそれはエルドラド。よくよく思い返すにエルニドは知らなかった。さっそくネットで調べてみたら、結構良さげな島らしい。
しかし毎度のことではあるのだけれど、出発前にあまりガチガチと情報収集して行くと、現地での実際と異なったときにショックが大きいので、今回も情報収集はほどほどで終了。あとは現地で情報収集すればいいや、とタカをくくって今回も出発とあいなった。