ピカチュウウミウシ

2009年。特にシパダンへ行くことを目的にしていたわけではなかったのですが、マタキング島に滞在して1日だけシパダンに向かうチャンスがもらえました。
しかし、滞在中に何度もシパダンの凄さを耳にするうちに、そこに行けると決まった時には小躍りしていました。それなのにその当日、私たちが乗ったボートが途中でエンジントラブル。
なんとかシパダンには到着したものの、翌日が帰国日(フライト)のために3本のはずが2本しか潜れずに、ちょっと悲しい思いをしたのでした。
そんなこともあって今回はマブール島に滞在し、出来れば2回の遠征。それがダメなら早朝ダイブでカンムリブダイの大行進を見て、4本潜ることを期待していたでのですが……。

あまり必要ないかとも思うのですが、一応かの地の情報を残しておきます。
まず私たちは羽田からの深夜発マレーシア航空でコタキナバルに向かいました。羽田を深夜の1時過ぎに発ちフライト時間は約6時間です。現地は日本とマイナス1時間の時差があるので到着時間は6時過ぎってことになります。ここでローカル便に乗り換えてタワウへと飛びます。この時、入国審査を受けなくてはならないのですが、国内線に乗り継ぎの場合は乗り継ぎ専用の入国審査窓口があります。私はそれを知らなかったため、一般の窓口で審査を受けていったん外に。かみさんは乗り継ぎ用審査窓口を通過してそのまま搭乗ゲートへ。離ればなれになってしまいました。
乗り継ぎの時間が迫っていたので私は大慌て。ローカル線空港内の案内板が英語で書かれていないため、どっちへ行って良いか分からずウロウロ。現地の人にゲートまでの道順を聞き、ようやっとかみさんと合流出来たのでした。ところが搭乗券に書かれたゲートに行っても誰もいません。案内掲示板を見つけて確認すると搭乗ゲートが変更になってました。再びダッシュです(汗)。
何とかタワウへの便に乗り込んで飛ぶこと45分。トイレに行く時間も無いようなフライトです。タワウに到着すると宿泊先のシパダンウォータービレッジ(SWV)のスタッフが迎えに来てくれていました。ここから車でセンポルーナ港まで90分ほどかかります。シートベルト装着し、しばしのスリーピング・タイムです。
センポルーナ港は2年前に来たときと変わっていませんでしたが、周辺には新しいビルが増えていました。その殆どが中国語の看板でした。
センポルーナからマブールまではスピード・ボートで30分ほどです。鏡のような海面を飛ばしていきます。
マブール島には2つのリゾートがあります。ひとつは私たちが滞在するシパダンウォータービレッジ(SWV)、もう一つはシパダン・マブール・リゾート。互いに隣接していました。
シパダン・マブール・リゾートの施設内に入ってはいないので不確かではありますが、たぶんダイバーにはSWV(ウォータービレッジ)の方が使いかってが良いように思います。私たちが利用した部屋からダイブセンターまで5分近くかかりましたが、あちらのリゾートはもっと歩くことになりそうに見えました。施設は殆どが水上にあるのですが、お隣のリゾートは島内にも宿泊施設があり、そちらに滞在したら細長い橋を延々歩かなければなりません。

通貨はマレーシア・リンギット(MYR)。2011年11月のレートで1MYRは約25円でした。電圧は220Vの3ッ又コンセント。SWVでは洗面所に一カ所、110Vの2穴コンセントがありました。
SWVのすぐ裏に島民たちの住居があります。ちょっとしたお店もあって、お土産や食べ物を売ってます。ペンダントなどのお土産品は、コタキナバル空港内の1/3くらいの値段でした。
ちなみにこの島、歩くと1時間ほどで一周出来るそうです。リゾートの反対側に行ってみたかったのですが、残念ながら道が分かりませんでした。こんなちっちゃな島なのにf(^_^;) 道を捜したけど見つからなかった(汗)。


この村には子どもがたくさんいました。平日でも昼間から遊んでいます。たぶん学校は無いのでしょうね、こんな小さな島ですから。教育を受けられないって本当に可哀想です。結局この子供たちは親のやっていたことを受け継いでいくしか無いでしょう。丸太をくり抜いた小さなボートに乗って、リゾートのコテージまで食べ物をねだりに来る子どももいました。
右上は村の様子です。ノーファインダーで撮ったので手ぶれ&露光不足になっちゃいました。
さて。深夜に羽田を発ってシパダンウォータービレッジにチェックインしたのは午前11時前でした。荷物を部屋に置くなりすぐにチェク・ダイブです。ダイブセンターのボートが発着する桟橋から、ハウスポイントであるParadiseTでマスク・クリアとレギュータ・リカバリをチェックし、ハウス・ポイントをちょっと散策。その後は昼食を摂り、早速ボート・ダイビングです。寝不足で足がつってしまった(>_<);

【ダイビング・ログ】

●マブール・パラダイスT
気温:29度 水底温度:29.3度 透明度:10m 潜行開始:12時17分 浮上時刻:12時42分 潜水時間:25分 平均水深:7.5m 最大水深:14.1m 快晴
観られた生物:イッポンテグリ、イロカエルアンコウ、ヘコアユ、イカ、アオウミガメ、スコーピオンフィッシュほか
イッポンテグリ ヘコアユ
●マブール・ニューロブスターケーブ
気温:29度 水底温度:29.4度 透明度:20m 潜行開始:14時48分 浮上時刻:15時48分 潜水時間:60分 平均水深:13.5m 最大水深:22.9m 快晴
観られた生物:ピカチュウウミウシ(ウデフリツノザヤウミウシ)、ボクサーシュリンプ、クロコダイルフィッシュ、ウルトラマンホヤほか
ピカチュウウミウシ(ウデフリツノザヤウミウシ) ウルトラマンホヤ
●マブール・オールドロブスターケーブ
気温:29度 水底温度:29.4度 透明度:20m 潜行開始:14時48分 浮上時刻:15時48分 潜水時間:60分 平均水深:13.5m 最大水深:22.9m 快晴
観られた生物:ピカチュウウミウシ、ハダカハオコゼ、ハシナガチョウチョウウオ、ボクサーシュリンプほか
ハダカハオコゼ ハシナガチョウチョウウオ
●カパライ・ドラゴンウォール
気温:28度 水底温度:29.4度 透明度:15m 潜行開始:10時42分 浮上時刻:11時39分 潜水時間:57分 平均水深:9.7m 最大水深:16.9m 晴れ
観られた生物:カエルアンコウたくさん、ハナイカ、ハタタテハゼ、クロハコフグほか
ハナイカ カエルアンコウ
●マブール・シベンチャー
気温:27度 水底温度:29.4度 透明度:8m 潜行開始:14時49分 浮上時刻:15時47分 潜水時間:58分 平均水深:14.5m 最大水深:18.0m 晴れ
観られた生物:ネジリンボウ、ギンガハゼ、ゴールドスペックジョーフィッシュ(抱卵中)、ハナヒゲウツボほか
ネジリンボウ う〜ん、名前が判らない(T_T)
●シパダン・ホワイトチップアベニュー
気温:24度 水底温度:29.9度 透明度:25m 潜行開始:8時08分 浮上時刻:9時01分 潜水時間:53分 平均水深:12.4m 最大水深:21.0m 雨
観られた生物:アジアコショウダイ、ホワイトチップ、グレイリーフ、ソウシハギ、シャコガイほか
大きなシャコガイ ホワイトチップシャーク
●シパダン・ミッドリーフ
気温:25度 水底温度:29.7度 透明度:25m 潜行開始:10時15分 浮上時刻:11時10分 潜水時間:55分 平均水深:6.6m 最大水深:16.1m 曇り時々雨
観られた生物:カンムリブダイ、グレイリーフ、ミカヅキツバメウオほか
ミカヅキツバメウオ カンムリブダイ
●シパダン・バラクーダポイント
気温:26度 水底温度:29.5度 透明度:25m 潜行開始:15時00分 浮上時刻:15時51分 潜水時間:51分 平均水深:10.6m 最大水深:21.1m 曇り時々晴
観られた生物:ギンガメアジ、バラクーダ、アジアコショウダイ、ホワイトチップ、ナポレオン、カクレクマノミほか
ギンガメアジ バラクーダ
●カパライ・マキポイント
気温:28度 水底温度:29.6度 透明度:8m 潜行開始:10時30分 浮上時刻:11時27分 潜水時間:57分 平均水深:13.2m 最大水深:19.8m 曇り
観られた生物:オイランヨウジ、クマドリカエルアンコウ、ジョーフィッシュ、モンハナシャコ、ナンヨウツバメウオほか
クマドリカエルアンコウ オイランヨウジ
●マブール・オールドロブスターケーブ
気温:28度 水底温度:29.5度 透明度:18m 潜行開始:14時25分 浮上時刻:15時26分 潜水時間:61分 平均水深:13.9m 最大水深:22.0m 曇り時々晴れ
観られた生物:オビイシヨウジ、マダガスカルバタフライフィッシュ、ウルトラマンホヤ、ピカチュウウミウシほか
マダガスカルバタフライフィッシュ ピカチュウウミウシ
●マブール・シーベンチャー
気温:28度 水底温度:29.3度 透明度:8m 潜行開始:16時30分 浮上時刻:17時13分 潜水時間:43分 平均水深:14.8m 最大水深:18.5m 曇り
観られた生物:オイランヨウジ、バブルコーラルシュリンプ、ジョーフィッシュ、ヨスジフエダイ、ハナヒゲウツボ、クロユリハゼほか
バブルコーラルシュリンプ ハナヒゲウツボ

【後記】

乗り継ぎが3回もあるのだけど、どれも待ち時間が無いから羽田から12時間かからずに到着できる。休みが取りづらい身の上では、これは非常にありがたい。深夜の移動でも翌日に行動できる体力があれば、だけど。
先にも書いたけど、リゾートに到着するなり休む間もなく海の中に入っていけるってのは有り難かった。足がつって困ったけれど。
東京の竹ノ塚からいらっしゃっていたTご夫妻と、タワウからずっとご一緒させて頂いた。Tご夫妻はシパダンに何度も来られていて、いつもはカパライをベースにされているそうだが、あいにくの満員で今回はSWV滞在となったのだそうだ。もしも次の機会があったら、今度はカパライに滞在してみたい。だってマブールに滞在しながらカパライのハウスリーフまでボートで潜りに行ってたくらいなのだから。
出来れば島の子どもと話してみたかったけど、言葉の壁は如何ともし難かった。しかし仮に言葉が通じても、彼らの貧しさを救う事は私には出来ないのだけれど。