マラパスクアのことを耳にしたのは2011年の秋だった。行きつけのダイビングショップにフラリと暇つぶしに立ち寄ったら、「マラパスクア知ってる? 凄いらしいよ〜。ニタリは浅瀬にバンバン出てくるし、ハウスビーチでニシキテグリがグチャグチャ見られるらしい。行っておいでよ」と。
それはいったいドコなのさ? ダイバー仲間に知ってるか?と聞いても「聞いたこともない」という。調べたらフィリピンセブ島の北端に位置するらしい。
「こいつは行かねばなるまい」と、以来何度となく密かに渡航のチャンスを窺っていたのだけれど、すでになんやかやとダイビングの予定を入れてしまっていたこともあったりで、結局行けたのはその2年後、2013年の3月だった。
マラパスクアへはまずセブに行き、そこから車で約3時間30分セブ島北端のマヤ港目指してひたすら走る。その日のうちにマラパスクアに入ることも出来るそうだが、当然到着は夜半となる。私たちはまずセブ市内のホテルに前泊して、翌朝7時にピックアップしてもうらうことにした。 |
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朝7時前にチェックアウトしようとロビーに降りていったら既にお迎えは到着していた。7時前にホテル出発。途中、トイレ休憩(運転手は朝食)で一度休んだだけで、一気にマヤ港に向かう。
この時の運転手、やけにアクセルのオンオフを繰り返す。道路も凸凹が多く、更にその下手くそアクセルOnOff運転で身体が前後に揺れるもんだから、乗り心地悪いことこのうえない。案の定、かみさんがダウンしてしまった。
この車は私たちが利用したマラパスクア・レジェンド・ウォータースポーツ&リゾートの送迎車なので、料金は宿泊代に組み込まれている。たがマヤ港に到着するとワラワラとポーターが群がってきて「どの舟だ?」と聞きながら勝手に荷物を運んでいってしまうのだが、この時、荷物1個につき20〜50ペソを要求される。もしも干潮時で迎えのバンカーボートが接岸出来ないと(港は極端な浅瀬)、人も荷物も小舟でバンカーボートまで運ばれる。この渡船代も一人50ペソが必要。セブに到着したらわずかでも換金が必要だ。(帰国時も空港使用料550ペソが必要となる) |
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ちなみに途中休憩した際に利用するトイレも有料だし、このマヤ港にも汚〜ったないトイレがあるが有料だった。まぁ、有料とは言っても1ペソ=2円ほどなのだが、金取るくらいないならもう少しトイレ、綺麗にしておいて欲しいよなぁ。
マヤ港をフィリピン名物のバンカーボートで出航しマラパスクア島までは30分ほど。港からすでに島影が見える。
小さな島かと思っていたら結構大きい。お迎えバンカーボートのクルーに聞いたら約5000人ほどが住んでいるらしい。
島に渡るとかなりの数の宿泊施設、ダイビング・ショップがある。イメージ的には同じフィリピンのボラカイ島に似ているけれど、耳障りな音楽が流れていないのが嬉しい。それと来島者はほとんどがダイバーだった。ちょっと見リゾーターっぽい人達も居たけれど、ボラカイのようなケバケバしさがないので落ち着ける。
リゾートには11時に到着した。しかし、チェックインが14時からだと言うので、まずはダイビング・ショップに今日の予定を聞きに行くことにした。 |
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お世話になるダイビング・ショップはクエストダイブセンター。リゾートに隣接しているのだけれど、反対側にもダイビング・ショップがあって(そっちの方が綺麗で設備もいい)紛らわしい。翌日、浜辺を散策したらあるはあるわ。そこら中にダイビング・ショップが店を開いていた。この島に住む約5000人という島民たちはみな、きっとダイバーやリゾーターの落とすお金で生活しているのだろう。
さて話しは戻ってダイビング・ショップ。今日の予定を聞くと、14時出発だという。「チェックインが14時なんだよ。準備はどこで出来る?」と聞いたら、チェックイン前に部屋が使えるようにしてくれた。
カメラのセッティングもしたかったので、さっそく部屋に入ったらなかなか綺麗で良い部屋だった。なんでも最近出来たばかりのリゾートらしい。この翌日、昼食をレストランで食べていたらアジア系の顔したオッサンに「何処から来た?」と聞かれた。答えた後で、「あんたは何処から来たんだ?」と聞き返したら、このリゾートのオーナーだった(汗)。 |
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部屋の向かいにプールがあるのが嬉しい。ダイビング後に身体の潮を流せる。この島では水は貴重なはずで、プールなんてかなりの贅沢だろうと思う。到着した日はダイビング講習も行われていた。ダイビング・ショップの機材洗い場の水が汚れている時は、カメラをこのプールに沈めて潮抜きにも利用させてもらった。
宿泊客は多様で、私達が滞在していたときはドイツ人、フランス人、スペイン人などのカップルが来ていた。この島に来る道中で、「セブは最近、中国人が増えて中国のお店がいっぱい出来た」って話しを聞いていた。そんなもんだから、アジア系の顔した団体がやって来たとき、てっきり中国人と思っていたら台湾人の団体で、しかも日本人も混じっていた。アジア仲間と思われたのか、その台湾人団体客は私達の隣の部屋だった。何度か挨拶を交わす内に色々と話しをした。気さくで親切で話す会話も楽しかった。声はやはり大きいけれど、振る舞いも謙虚だし好感が持てた。
到着日は14時に1本、そしてナイトダイブに参加した。 |
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私たちが宿泊したレジェンド・ウォータースポーツ&リゾートは、宿泊施設やダイビング・ショップが建ち並ぶマラパスクア島南端海辺の東端にある。海岸線にそって砂地の道が延びていて、その道に面して多くの施設が建ち並んでいる。
食事はフィリピンなので期待しない方が良い。宿泊していたリゾートの食事にガマンがならなくなって、美味しそうな他のお店にも行ってみたけれど、お味の方は大差なかった。
浜辺の木陰にはマッサージをするおばちゃん達がたくさんいる。オイルを塗りたくられるんじゃないかと(砂浜でオイル塗られると砂が着いて痛いのだ)敬遠しちゃったけど、ホントはやって貰いたかったのだ。潜るのに忙しくてその時間がなかった。マッサージは1時間で250ペソ(約600円)ほどらしい。
お土産やパイナップル、鮮魚などを売り歩くおっちゃんやおばちゃん達もやって来る。お土産に木彫りニタリザメを買おうとしたら、最初は3つで1000ペソと言っていた値段が最後には500ペソになった。ちなみに同じ物がリゾート内のお土産ショップでは1つ400ペソだった。 |
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マラパスクア島周辺のダイビングポイントは、どれもボートで10分程度の至近だが、ニタリのポイントは30分ほどかかる。しかもニタリの遭遇率は朝の方が高いそうで、出発はまだ太陽も顔を出さない5時だ。前夜に貰ったバナナを食べて部屋を出た。
エントリーしてすぐにニタリの魚影が見え、しかも私たちの眼前5bほどにまで寄ってきてくれた。もう、アドレナリン大噴出!
結局ニタリがやって来るポイント「マナドショール」には2度潜ったけれど、2度ともニタリに会うことが出来た。1本目は5体ものニタリと会うことが出来たのだった。
滞在2日目に、カランガマン島へのダイビングトリップに出かけた。とても美しい島で、セブ島とレイテ島の間にある。このトリップの際にダイビング・ショップに「昼食も要るか?」と聞かれたのでお願いした。私は当然クルーが遠征ボートに積んでくれているものと思い込んでいた。ところがそれは各自がリゾートのレストランで貰ってくるんだそうな。カランガマン島に上陸してお昼の無い私は、恥ずかしながらレイテ島からピクニックに来ていた現地家族の昼食をお裾分けしてもらったのだった。 |
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