効率を最大限に上げるため、行きは仕事を終えてから羽田発の深夜便、帰りは成田早朝着のフライトとなった。もう若くはないのだから、そんな強行軍は避けたいところだが、せっかくの休みを最大限有効活用するには致し方ない。しかし、流石に帰国してそのまま会社に向かうってのはしんどかった。
さて、深夜に羽田を発ちシンガポール・チャンギ空港でデンパサール行きに乗り換える。乗り継ぎ時間があまりなく、シャワー浴びることも出来なかった。
デンパサールにはお昼頃に到着。ビザ申請料一人$25を支払いイミグレ抜けて荷物を受け取り、空港の外に出たらもの凄い人出! みな出迎えの旅行会社スタッフだった。
デンパサール空港は、ちょうど拡張工事をしている最中で、駐車場も仮駐車となっていてゲートを出てからかなり歩いた。車に乗ってグルッと空港を廻ると、そこら中が工事中だった。きっと近々素晴らしい空港に変身するだろう。マレーシア・クアラルンプール空港のように。
さて荷物を運ぶのを手伝ってもらい、さっそく車に乗り込む。人混みや渋滞という混雑が嫌いな私は、早くここから脱出したかった。 |
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車は混雑する町中を抜けて山道に入った。ここからは西部国立公園領内となる。クネクネの細い道を登っていく。しばらくは快適なドライブが続くのだが、すぐに超スロー大型車が渋滞を作る。それをインドネシア流強引運転で抜いていく。いつも思うけど、こんな秩序のないルール無視の運転でよく事故が起きないものだと思う(目撃してないだけか?)。
山道の途中、ブドゥグル湖、ブラタン湖などを見下ろして車は進むが、残念なことにもの凄い濃霧に包まれて何も見えなかった。ガイドさんも「写真撮りたかったらいつでも車止めますから」とは言ってくれたけど、濃霧ではどうしようもない。時折、霧の晴れ間から湖が見えるのだけど、晴れていたらきっと素晴らしい景色だったろうと思う。
さて、山間のバリの村々(これもなかなか必見もの)をいくつか通り抜け、ミンピリゾートに到着したら夕刻5時を過ぎていた。デンパサール空港を出発したのが12時50分だったから、やっぱり4時間かかったことになる。 |
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ミンピリゾートでの部屋はコートヤード・ヴィラ102号室。広めの部屋には天蓋付きのベッドが二つ。更に塀で囲われた中庭があって、そこに露天風呂と東屋があった。お湯がジャボジャボと流れ落ちていた。
ウ〜ン、なんともリッチ。かみさんが来たがったワケが分かった。夜間フライトのうえ、車でガタゴト4時間も揺られ、とても疲れていたのですぐに露天風呂に飛び込んで途中で買い出ししてきたビールでも飲みたかったのだけれど、まだ日も沈んでいないので、まずはダイビングショップに行って明日の予定を聞くことにする。
そうそう、話しが前後しちゃうけど、このリゾートは持ち込みOKなので、途中のコンビニで飲み物を買い込んでおくといい。ミネラルウォータは無料で貰えるけど、ビールやその他の飲料は、ここで買えば同じ物でも何倍かのリゾート値段となる。
さて再び話しを戻してダイビングショップへ。ここには日本人スタッフがいてくれて助かった。メグさんというとても感じの良い可愛らしい女性だ。
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リードで「あまり乗り気でなかった」とは書いたものの、その後に色々調べるにつけ、ここでもけっこう面白いサカナに会えると知った。その一番がテグリの仲間のピクチャードラゴネットだった。初めての挨拶もそこそこに、さっそくピクチャードラゴネットを観たい旨を告げると、スリィくんを紹介してくれた。
彼は日本語が堪能で、ここミンピリゾートに入ってくる道の角の家に3人の子どもを抱え住んでいる。彼が言うところでは、「ピクチャードラゴネットはシークレットベイに居る。でも、今はとても水温が低くて透明度も悪いよ」とのこと。それでもいい。それでも私は見たいのだ! 取り敢えず翌日は「まずムンジャンガン島に行って、それから決めましょう」という事になった。なんか行きたくないような雰囲気がヒシヒシ(あとでその理由は分かった)。
ダイビングショップの隣にダイニングがある。アラカルトから鶏肉のグリルを選び、赤ワインをボトルで1本注文。ワインはチョイスを失敗したけれど、料理は美味しかった。夕食を終え、残ったワインのボトルキープをお願いして部屋に戻るとき、空を見上げたら満天の星空だった。夜風が涼しくて長袖の上着が欲しかった。 (左へ)
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ここは赤道に近いというのに湿度が低いせいか、とても涼しかった。部屋に戻って温泉に浸かったのだけれど、湯から出ると肌寒かった。そんな具合だから、とうぜん夜はエアコンなど不要。蚊の猛攻を受けるかと覚悟していたのだけれど、気温が低いからかあまり蚊は出てこなかった。それでも数カ所刺されたけれど。(注・暑い日で雨が降った後などはきっとたくさん出てくると思います。なにせ周辺はマングローブの湿地帯)
このミンピリゾート・ムンジャンガンには、当然ながらスパもあれば大きなプールもある。ギフトショップ(夕刻からしか開かない)もあって、どれもこれもなかなかセンスがよろしい。スパも利用してみたけれど、まさにバリ島のスパだった。室内も調度品もグッド・センス! |
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全ての部屋に温泉風呂が付いているわけでは無いようで、風呂無しの部屋に泊まった人達には混浴の、これまたプールのように大きな温泉も用意されていた。すぐそばにプールもあるのだけれど、どっちがプールでどっちが温泉か分からないくらい。実際、どっちも水温は高目だった。
ここの温泉は鉱泉で、温泉としては温度は低め。だからかなり長湯をしても湯上がりに汗をかくような事はなかった。
結局使わなかったけれど、ビール飲みながらゆっくり温泉に浸かり東屋でゴロンとスッポンポンで昼寝でもしたら最高だろう。目覚めたら蚊に刺されまくってた…なんて事になるかもしれないけれど。 |
翌日6時過ぎに目覚め、7時前にダイニングに向かった。ダイニングのオープンは朝は7時からなのだけど、ダイビングが8時出発なのでちょっと早めに向かったのだった。私たちの部屋からダイニングまでは、歩いて3分ほど。手入れされた庭を抜けていく。その庭にサルがたくさん来ていた。木から落ちた豆を拾って食べていた。
この翌日、ガイドのスリィくんとダイビングの合間にサルの話しになった。私が「日本のサルは温泉に浸かるのもいるし、泥の付いた食べ物を海水で洗って食べる奴もいる」と教えたら、こっちのサルは温泉にも浸からないし、とってもバカだと言う。なんで?と聞いたら、干潮時にシャコガイを取ろうとして指を挟まれ、そのまま潮が満ちてきて溺れて死んだのを見たことがあるのだと、笑いながら話してくれた。いや、笑い話しじゃないでしょう。それは可哀想なお話だと思うゾ。
さて朝食をいただいて、ムンジャンガン島に向かう。ボートがエンジン1機のみなので船足が非常に遅い。ムンジャンガン島は湾をグルッと回ると目の前に見えるのだが、40分ほどかかった。途中は波も高くなり濡れネズミ(>_<); |
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最初のダイビングはムンジャンガン島のチャーチポイント。このページの頭にタイトルとして使ってる写真がそこだ。ガネーシャが海を睥睨している。その下のドロップオフを流す。
昨日の時点で聞いてはいたのだけれど、水温も低く(27℃台!)透明度も良くない。ここ数日のことらしい。3_のウェットスーツでは30分も潜っていると震えがきた。
ムンジャンガン島には、このガネーシャの居る寺院以外にも上の方にお寺があるそうな。地元の人がけっこう頻繁に舟に乗ってお参りに来るらしい。舟の停泊場所周辺ではシュノーケラーもたくさん来ていた。
ムンジャンガン島で3本潜った帰路、濡れた身体に追い打ちをかけるように波がかかり、寒いことこの上なし(T_T)。ここは本当に南洋のバリ島か?
リゾートに戻るとナイトダイブに誘われた。マンジュウイシモチやニシキテグリに会えるそうな。一度部屋に戻って温泉に浸かり、身体を暖めてから行くことにした。
ところがこれが大失敗。マスクの曇り止めはしっかりしておいたのだけれど、身体が暖まったせいかマスクが曇ってしまうのだ。結局、一番肝心なシーンを見ることが出来なかった。(T_T) (左へ)
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翌日は水温低いよ、透明度悪いよ、と聞いていたシークレットベイに行くことにした。明日のダイビング予定が決まったのでお弁当を注文する。ここのショップは遠征ダイビングの時には前日にお弁当を注文する。種類は豊富だった。滞在中にハンバーガー、ナシゴレン、ミーゴレン、クラブサンドなどを頼んだけれど、味付けがどれも薄めだった。同じダイニングで作ってるようだけど、料理人が違うのかもしれない。
シークレットベイはリゾートの対岸を大きく廻ったところにある。リゾートから車で向かう。かなりのスピードで飛ばして30分ほどかかった。
寂れた感じのビーチダイビング・エリアだった。ダイビング施設があるけど、シャワーも機材洗うプールも使用できなかった。トイレもあったけど、現地スタイルのもの。
「昨日は20人以上も潜りに来てたヨ」とスリィは言っていたけど、この時は私たちだけで、地元の男どもがダイビングショップでずっとトランプゲームをしていた。
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さて、前日のムンジャンガンも水温が低かったけれど(下記ダイブログ参照)、ここシークレットベイは更に低かった。ナント、水温25℃台! しかも最後の3本目は透明度1bほど! スリィが来たがらないのも当然だ。
ココは基本はビーチダイブなのだけど、ピクチャードラゴネットのポイントまでは小さなボートで湾の中程まで出た。しかし、この透明度では見つけることも難しいし、仮に見つかっても写真にちゃんと撮れたか甚だ自信が持てなかった。
結局ピクチャードラゴネットに会うことは出来なかったけれど、もう少し透明度が良ければもう一度潜ってみたいポイントだった。ただし、次回はフードベストを持ってこないと。
シークレットベイで3本潜りリゾートに戻るとまだ15時前だった。ハウスキーパーが部屋を掃除しお風呂にも新しいお湯を満たしてくれていた。ひとっ風呂浸かってスパに行くことにした。
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私がこのようにウェッブに記録を残すようになったきっかけは、まだインターネットが今ほど盛んでない頃に情報集めにわたし自身がとっても苦労したからなのだけど、今では入手できない情報は殆ど無いと言って良いだろう。しかし、その情報も真意のほどが怪しかったり、錯綜していたりでアテにならないものもある。
昨今はスマートフォンやタブレットPCという非常に便利な物がたくさん出てきたので、wifi というこれまた便利な通信システムが利用できるか否かは、遠出した際には非常に重要な要因となる。今回もかみさんに、利用した旅行代理店クラブアズールに確認させた。ミンピリゾートの担当者はwifi
の利用は不可だと言ったそうな。しかし私がネットで調べると利用できるという情報もあった。さて正解は? レセプション周辺ではwifi利用可能だった。クラブアズールさん、ここをやけに勧めているようだけど、こんな情報与えてるようじゃ悲しいゾ。
また、このリゾートにはインターネット専用ルームもあって、中を覗かなかったけれど、きっとPC持参すればネット回線に接続は可能だろう。もしかするとPC自体も用意されているかもしれないが。 |
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ミンピリゾートに3泊し、帰国前日は空港に近いクタに泊まることにした。午前中に2本潜り、機材を乾かす間に再び温泉に浸かって昼食。そして海周りでクタへと向かった。このコースはドライブには向かない。やはり山越えの方が景色的には素晴らしい。結局、クタまで5時間ちょっとかかった。
クタでは最近話題になっているという町・スミニャックで1泊した。話題になってるって、いったい何が話題なのかというと、ブティックやたくさんのお土産店、そして綺麗で立派なホテルが最近出来はじめているんだそうだ。まぁ、男の私にはたいした話題ではない。しかし、確かにホテルもお土産もレベルが高くてしかも安かった。
このスミニャックではデサムダヴィレッジ(wifi可)というホテルのアパートメント・ルームに泊まった。この部屋は明らかに長期滞在用に造られた部屋で、キッチンや大型冷蔵庫などがあった。私たちはたった1泊の宿泊だけど、長期滞在用だからか宿泊費は非常に安い。しかも室内は清潔で綺麗だった。
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夜。プール際に席を取り夕食にありついた。プールの反対側に、バリの民族衣装を纏ってる女の子がトコトコ歩いてきたと思ったら、ラジカセをセットしてバリの踊りを披露してくれた。化粧の下の笑顔があどけない。年齢を聞いたら二人とも14歳だった。
バリ滞在中、昼間は見事に連日快晴だった。そしてその快晴の空には大きくて様々な形のカイト(凧)がいっぱい飛んでいた。もともと伝統文化ではあるが、いまバリ島ではカイトが子供のみならず大人にもブームなんだそうな。
【後記】
バリ島には3度目だった。訪問する場所は毎回異なっているけれど、どこ行ってもバリ島らしさが溢れている。当然だけど。それがまた嬉しい。なんか安堵感を与えてくれるのだ。スパも民芸品も素晴らしく、女性に人気が高いのはさもありなん、と思う。
(2012年7月 記) |
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