さてもう一つのメインイベント、セノーテ・ダイビング。
セノーテはユカタン半島地底に広がる、全長150q以上にもなる石灰質鍾乳石の地底を流れる淡水の水路です。生活用水、飲料水として利用されているようです。淡水故に、その透明度は100bを超えることもあるそうです。
出発前に総ダイビング本数が300本未満の人は、水中での写真撮影は禁止されているだとか、地底故に真っ暗の中を潜るので事故が多いだとか、芳しくない情報ばかりが先に入ってきてしまい、ちょっと戸惑いました。そんな事は無かったのですが、やはり中性浮力は絶対条件でした。
洞窟内の水底には、非常に細かな土が堆積しているので、一度それらを巻き上げてしまうと数時間は沈殿しないのだそうです。
折角の透明な水中を濁してしまっては、他のダイバーに迷惑どころか、何のためにここに潜ったのか判らなくなります。最高の透明度を皆で堪能したいものです。。
私はドスオホスというセノーテの、バービーラインとバットケイブの二つのポイントを潜りました。

ここは入り口から右方向へ行くとバンビライン、左がバットケイブです。バットケイブはその名の通り最奥部に部屋があって天井にコウモリが住み着いています。
水中では2種類ほどサカナを見つけましたが、それ以外にもウナギやエビの類が生息しているようです。
沸き水が出ている箇所もあると聞いていたので、3ミリのウエットではちょっと寒いだろうと思って、フードベストとラッシュガード着用で潜りましたが、フードがあれば充分でした。
ほかのポイントではどうか判りませんが、ここドスオホスは水面も水底もほとんど水温の変化はなく、25度ほどでした。
また水深もさほど無くて、最深部で11bほどです。平均水深は5bでした。
人気のポイントらしく、結構多くのダイバーが来ていました。。
当初、ここかグラン・セノーテ、タジマハの3カ所何れかに行けたら良いな、と思っていたのでラッキーでした。

このポイントまではプラヤから車で約30分ほどです。

【後記】

ちょっと日程に無理があったなぁ、と思います。あと3〜4日滞在できたら、いえ、滞在するべきでした。だって、本当に遠いんですから。
成田からアメリカのヒューストン・ジョージ・ブッシュ国際空港までが約12時間。そこからメキシコのカンクンまでが約3時30分。そこで車に乗り換えてプラヤデルカルメンへは約1時間。延々17時間近い移動なのです。
途中乗り継ぎをするヒューストンは、トランジットだけなのにイミグレーション通らなくちゃならないし(アメリカは、自分で蒔いたタネで自分たちが面倒になってる)、しかも帰国時はコンピュータの不調とかで審査に手間取り、乗り継ぎ時間が危うくなるし……。
もっと滞在したかったのは、距離と時間だけの問題でもありません。
実際、素晴らしい町でした。人々は陽気だし、町並みは底抜けに明るいし、空は信じられないくらいに真っ碧だし、海は綺麗だし浜辺にはトップレスの女性もいるし(アレ?)
なにより驚いたのが食事です。現地でお薦めのレストランも紹介して貰ったのですが、訪ねてみると生憎の改装中で休業。冒頭にも書きましたが、結局3晩、行き当たりばったりでレストランに入ったのですが、どの店の料理も本当に美味しかった。
お店によって、サービス料を別途請求されたりして戸惑うこともあったけれど、値段はリーズナブルだし雰囲気も良い。店の従業員の態度も文句なし。
フェリー乗り場に向かう途中に何店も出ている出店の料理も美味しかった(ちなみに出店のタコスはUS$1でした。朝食はこれ一つで十分の量)。

メキシコはチャンスがあったら是非もう一度行ってみたいなぁ。そういえばジンベエ・ツアーであった一人旅の男性はリピーターだった。メキシコはまさにそんな国なんだと思います。

プラヤデルカルメンはメキシコのカンクンから南へ車で1時間ほどのところにあります。この町の向かい側、東にはリゾート地としてカンクンと共に有名なコスメル島があります。
このコスメル島には、ここプラヤデルカルメンからフェリーに乗って約45分ほどです。
私たちは夜20時近くにプラヤデルカルメンに到着しました。到着してまずは腹ごしらえと、町の中心地に向かうつもりがまるで反対方向に向かってしまい、進めば進むほど町が寂れていきます(反対だから当然です)。
結局、ホテル隣の小さな中華料理屋でその日の夕食となりました。
選んだホテルはカサデゴバラというホテルで、プラヤでは中程度のクラスでしょうか。しかし、ホームページにはプールもあると書いてあるのに、探しても見つからないどころか、レストランすら無い! これは変だと思ったら、プールやレストランがある棟には別の入り口からしか入れないのでした。私たちが利用した部屋はレセプションの側でしたが、プールやレストランを利用するにはいったん外に出て、ぐるっと回って別の入り口から行かなくてはならないのです。
滞在時間も短く、しかも連日移動していたのでプールを利用する余裕も無かったのですが、もしもこのホテルを利用してプールにも入りたいなら、予約の際に確認が必要です。

このホテルからメインストリートの5番街通り(5TH AVENUE)まで歩いて3分ほどの好立地です。なので、レストランを利用するためにグルッとホテルを回るくらいなら5番街通りまで出向いた方が楽で早いのです。
左の写真が5THアベニューです。夕方となればホコ天並みの人通りになります。
ハッピーアワーの夕方ともなれば、まだ陽も結構高いうちから、陽気な人々の談笑や歌声と演奏が聞こえてきます。
3晩を店を変えつつこの通りで過ごしました。ところが不思議なことに、ホテルでは同宿の日本人に4人ほど会ったのですが、このメインストリートでは一人も日本人らしき姿を見かけませんでした。今まで色んな国に行きましたが、こんな事はバヌアツのタンナ島以来のことでした。ちなみにこの通りで行き当たりばったりでお店を選び食事をしましたが、どの店も美味しくて驚きました。メキシコのコックさん、レベル高いです!
翌朝、9時発のフェリーでコスメル島に渡りました。このフェリーは片道US$20です。プラヤからの便は始発が6:00、以降8:00、9:00、10:00と1時間おきに出ていますが、どういう訳か7時と21時、22時台がありません。
一方、コスメルからの便は5:00が始発で以降、6時台、18時台、21時台を除く1時間おきに出ていて最終便が22:00発となります。

なのでプラヤから日帰りで、もしもコスメルに宿を取ってもプラヤへ日帰りで充分遊んでくることが出来ます。
この日に備えて前日に朝食を購入していたのですが、このフェリー乗り場に向かう通りには、早朝7時頃から露店が出るので、タコスや果物スティックを購入してフェリーに持ち込むことが出来ます。片道およそ45分ほどです。

コスメルはやっぱりプラヤよりも観光地っぽいイメージでした。お土産物屋とかレストランも多く、やはりプラヤが港町っぽいのに対してコスメルは洗練された印象が残りました。上の写真のロバ車はコスメルで走っています。プラヤでは見かけません。
@=コスメルで見かけたテンガロンハット・ロバ
A=コスメルは馬車ではなくロバ車が走る
B=プラヤデルカルメンのメインストリート・5番街通り

D=5番街のオープンカフェ
E=プラヤデルカルメンのフェリー乗り場入り口
F=コスメルの街並み
G=フルーツスティック(1カップ20ペソ=約200円)
コスメル島に渡った目的はダイビングです。
プラヤデルカルメンでもダイビングは出来るのですが、事前の情報収集でどうもコスメル島の方がダイビング的には良さそうに思えたからです。ところが、肝心のダイビング・ショップ情報がまるで入手出来ないのです。ダイビング・ショップが沢山あることは判っているのですが、どれが良いのか全く判らないのです。現地を訪れたことのある人に情報も貰いましたが、そのショップにメールをしても何の返事も戻ってきませんでした。
結局、宿泊したホテルに併設されているユカテックダイバーズに、コスメル島のショップを紹介してもらいました。
しかし、もともとユカテック自体の料金設定が高い上に、当然ながら紹介料が加算されるのでかなり割高になります。
私たちのプラヤ到着時間が夜8時と遅かったため、事前に予約するにはこの方法しか無かったのですが、コスメルにもプラヤにもダイビング・ショップは至る所に一杯あるので、時間的にゆとりがあるなら現地に到着してからショップを選んだ方が良いでしょう。
ユカテックの紹介で使用した、コスメル島のダイビング・ショップはディープブルーというショップでした。コスメルの港から徒歩5分ほどです。
ちなみに機材の運搬には自転車の前にリヤカーをくっつけたようなトライシクルで運んでもらいます。港に着けば数台が待機しているので、空いているトライシクルに行き先を言えば荷物を運んでくれます。どのようなシステムなのか聞くのを忘れましたが、当然、ダイビング料金に含まれているものと思っていますから、私たちは料金を払っていませんでしたf(^_^;)
実際は有料だと思いますが、交渉すれば2、300円程度と思われます。

コスメルではキリスト像が沈んでいるチャンカナブ国立公園にも潜ってイルカとご対面したり、スポテッド・ドラムやトードフィッシュにも会いたかったのですが、ちょっと体力を消耗してしまって残念ながらパス。プラヤに戻ってリゾートを満喫することにしました。
その数日後に会った日本人夫妻はコスメルのダイブハウスを利用して、私たちと同じ日に4本潜ったそうです。
もっと時間的ゆとりがあれば、もっともっと潜っていた海でした。普通、透明度の高い海域はプランクトンも少ないので魚影が薄いものですが、ここカリブの海は透明度も高く魚影も濃い海でした。
そして、海の色が違いました。言葉でどのように表現して良いか、私の少ないボキャブラリーでは不可能です。あえて言うなら日本なら宮古島の池間島周辺で見かけられるような海の色なのですが、もっとグリーンが強いのです。
ポイント数も多いので、出来れば2〜3日滞在したい島です。
【ダイビング・ログ】

●7月17日(木曜日) サンラロッサ
気温:34度 水温:29.8度 透明度:30m 潜行開始:9時57分 浮上時刻:10時38分 
潜水時間:41分 平均水深:18.0m 最大水深:31.18m 快晴

●7月17日(木曜日) パルマス
気温:34度 水温:29.5度 透明度:15〜20m 潜行開始:11時48分 浮上時刻:12時25分 潜水時間:37分 
平均水深:14.1m 最大水深:20.7m 快晴
コスメル島でダイビングした翌日は、ジンベザメのシュノーケル・ツアーに参加しました。

今回、この地を訪れた最大の目的は、このジンベエ・ツアーと地底水路・セノーテでのダイビングだったのです。セノーテの方は後述しますが、さてこのジンベエ・ツアーがなかなか厳しい(>_<);
朝の4時ホテルをピックアップです! 
プラヤデルカルメンから車でカンクンの北、チキラという港を目指します。この港までが約3時間。そしてこの港からホルボッシュという島へ舟で渡ります。

このホルボッシュという島は、コスメルやカンクンのリゾート地とは異なり、いかにもメキシコの田舎、離れ小島って感じで好感が持てました。
後で調べたところによると、フラミンゴがいたり大きなトカゲがいたり、右写真のようにペリカンが沢山いたりと楽しそうな島でした。
チキラからそのまま同じ舟でジンベエ・ツアーを続けることもあるのかもしれませんが、私たちはこの島に一旦上陸して朝食とトイレ休息をとり、別の舟に乗り換えました。
同船者は11人。デンマーク人カップルにアジア系カップル、そして千葉から来たというご夫妻と日本人一人旅男性、ガイド兼クルーが二人です。
ジンベエザメは6月から9月初旬にかけて、この海域にえさであるプランクトンやアミを求めてやってきます。
そのジンベエを探しながら海上を90分ほど走りました。1頭見つかると、その周辺に彼らは集まるようで、結局3頭のジンベエザメに会えました。
ジンベエが餌のプランクトンを求めて来ると言うことは、他のプランクトンを餌にする小魚やオニイトマキエイ(マンタ)なども集まります。小魚が集まれば、それを狙ってイルカや他の大きなサカナ達も集まって来ます。
何艘ものボートに乗った人間達と魚たちが入り乱れて、お祭り騒ぎのような海でした。
プラヤデルカルメンはコスメルに渡るフェリーが発着する港町です。
朝早くから出店も並び、夕方ともなれば人々はビールや名物の巨大マルガリータで喉を潤し、そしてどこからともなく歌声が聞こえてきます。とっても楽しく明るく、もう少し滞在したかった町でした。
ヒョイっと見知ぬ土地に連れて行かれて、「あぁ、ここは何処だ」とすぐに分かる場所って、どのくらいあるでしょうか? ニューヨーク? 東京? 上海? e.t.c。 ここプラヤデルカルメン、そしてコスメルはまさにメキシコ! という町でした。青い空と独特の色をした町並み、そして歌声、陽気な人々。