ということで、かみさんは早速ベリーズまでの行程をチェック。ロサンゼルス経由、ダラス経由が一番アクセスが良いらしい。ロス経由なら羽田空港深夜発の便もあるので、仕事終えて出発することが出来て時間的なロスも少ない。
しかし、いつもアメリカを乗り継ぎだけで素通りしてるので、今回は帰路にニューヨークにも立ち寄りたいよね、と相成った。そうなると航空会社(アメリカン・エアライン)の関係で、往路はダラス経由でベリーズ入りし、復路はいったんマイアミに行き、そこで乗り換えてニューヨークへ入ることになった。
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ところが今度は3月11日の東日本大震災。直前までどうしようか思案しましたが、何も起きないことを願いつつ出発したのでした。
成田空港13時10分発。日付変更線を越えダラス・フォートワース空港着が同日の10時45分。2時間のトランジット・タイムでベリーズには14時35分に到着です。
ベリーズ・シティ・ゴールドソン空港から再びセスナ機に乗り換えベース地としたサン・ペドロへ。なんか効率良いジャン!なんて思ってたけど、しっかり時差ボケ(-_-;) ちなみにベリーズ・シティからサン・ペドロまでは船でも行けますが2時間ほどかかります。 |
サン・ペドロ空港から利用したホテル、マヤン・プリンセス・ホテルまでは歩いても行ける距離ですが、荷物もあるので車で連れて行ってもらいます。で、その車ですが、この地ではほとんどがゴルフ場で見かけるカートなんでです。 |
さて、リードに書いた焼酎のCMなんですが覚えていらっしゃいますか? ビリー・バンバンの「またきみに恋してる」歌と共にジュゴンやカメが登場してきます。そのCMを下に埋め込んでおきますね。なお私は三和酒類とはなんの関係もありません。いいちこも結構飲みますが、決して宣伝が目的でもありません(笑)。このCMに出てくる海の中にポッカリ広がる穴がブルーホールです。
ジュゴンにも会いたかったのですが、どうやら私たちが行ったときは、ジュゴンに会えるシーズンにはちょっと遅かったようなので、今回はブルーホールに潜ることだけを第一の目的としてベリーズに行きました。
宿泊地のサン・ペドロは、メキシコ・ユカタン半島の東南端の下に浮かぶ細長い島です。この地をベースに選んだのはダイビングに一番適していると聞いたからでした。 |
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ベリーズという国自体が小さい(日本の四国くらい)のですが、渡ったサン・ペドロの町の更に小さいこと! 端から端までゆっくり歩いても30分ほどです。
ちなみにベリーズは、1981年まで英領ホンジュラスとしてイギリスの統治下にありました。通貨はベリーズ・ドル。ポンドじゃないんですね。2011年、私たちが行ったときは対米ドル固定相場で、US$1に対してベリーズ$0.5でした。2対1です。お店のメニューは大抵ベリーズ$表示なので、最初見たときは「高っか〜!」と驚きますが、その半分のUS$です。支払いはどこでもUS$でOKですが、おつりはベリーズ$で返ってきます。 |
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イギリスの息がかかっていたということで、食事は期待していませんでした。しかしまぁ、期待していなかったのが良かったのか、さほど不味いことはありませんでした。でも美味しい!って店もなかったですがね。
人々はさすが南米の国だけあって陽気でフランクです。マヤ人らしき人々の姿も見かけましたが、彼らどちらかというともの静かな感じでした。なんでもベリーズってのは、マヤ語で泥水を意味するらしいですが、確かにホテルの蛇口から流れる水も濁ってました。お風呂などは完全に泥水です(笑)。カリブの宝石とも呼ばれている国の名が泥水です(爆)。 |
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さて待望のブルーホールには到着二日目に行けることになりました。到着翌日だったら船上でダウンし、潜れなかったかもしれません。
初日のダイビングから3本予定だったのですが、かみさんが2本目でダウン。私も3本目を潜る意欲を無くし、キャンセル。やっぱり長旅は、身体にかなりの無理を強いてるようです。
で、そのブルーホールなんですが、正直言って期待はずれ。いや確かに海中に立派な鍾乳石なんかあって見事っちゃあ見事なんですが、水深は40bオーバーで当然光はホンのわずか。しかもその水深ですから潜っていられるのは3分そこそこ。加えて水温もメッチャ低いんです。この時で26.3度でした。(そんな水温でもウェット未着用で潜るガイジンさんがいる!) |
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懸命にブルーホールのイラスト図を探したのですが、見つからなかったので私がお土産に買ってきたTシャツの絵柄で失礼します(左写真)。
一見、壺の様に見えますが、壺の口に当たるところがブルーホールの入り口です。直径約300bあります。水深は120bあるそうです(かなりデフォルメされてるなぁ)。左右に広がったところにあるのが鍾乳石です。口から喉元そして広がり始めるあたりで水深40bほどです。こんな壺状の地形ですから光も入りにくく、ものの見事に真っ暗です。ある意味、富士山と一緒です。ブルーホールも潜るより空から眺めた方が美しい。しかし、登ってみなければ富士山の良さを理解できないのと一緒で、ブルーホールも潜ってみなけりゃその良さはワカランのです!(負け惜しみ)。 |
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サンペドロからブルーホールまでは大型ボートで2時間ちょっとかかりました。いくつか環礁を抜けていくので、その間は穏やかですが、途中外洋に出るとかなり揺れます。
ブルーホール周辺には素晴らしいポイントが結構あるようで、私はブルーホールよりもそちらのポイントの方が楽しめました。後ほどダイビング・ログも別途まとめるつもりですが、ブルーホールの後にハーフムーン・ウォールを、そしてそこを潜った後はそのハーフムーン・アイランドに上陸して昼食を摂り休息後、イーグルレイ・ウォール、アクアリウムを潜りました。 |
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サンペドロで利用したダイビングショップは、アミーゴス・デル・マーレというショップでしたが、なんかかなり適当で、水面休息時間もかなり短めだし、ダイバーにダイコンの装着も義務づけていませんでした。私は何度かデコが出そうなり(実際、一度出てしまった)、皆よりかなり上層を潜っていたのですが、もしもダイコン装備していればきっと殆どのダイバーがデコストップ状態だったでしょう。ダイビングもラテンのノリなんでしょうか。ブルーホールでの船上休息中もシュノーケリングするなど、アクティブなガイジンさんが多かったですが、水深120メートルのブルーホール覗いても何も見えないと思うんですよね。 |
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上陸したハーフムーン・アイランドはその名の通り三日月状の形をした小さな島です。トイレや簡単な建造物もあったので、ここに宿泊することも可能なのかもしれません。それが出来たら結構楽しいだろうな、と思いました。
この島には鳥がわんさか生息して、私が数えた限りでは4種類の鳥たちがいました。その内の一種類は水掻きが赤くて、なんでも珍しい鳥なんだそうです。名前聞いたのですが忘れました(汗)。
ダイビングの終了後は、ウォッカとパイナップルジュースのカクテルがふるわれました。ダイビング直後の飲酒ってダメじゃなかったっけ? |
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もうちょっとサン・ペドロの情報を残しましょう。
町の中にレストランはありますが、数としては酒がメインで食事はつまみ程度…ってお店の方が多いです。なんか“いかにも!”でしょう? 夜は結構遅くまでレゲエやラテン系音楽をガンガン流していて、土曜日の夜は12時過ぎまで煩かったです。しかも音楽が聞こえなくなったと思ったら、今度は酔客の大声がいつまでも…(-_-;)
サン・ペドロは先にも書いたように小さな町なのですが、銀行と不動産店がやけに多く、やたらと目に付きました。それと雑貨兼食料品店も多いです。雑貨&食料品店(缶詰と飲料程度)が多いのは、この辺のホテルの大半が長期滞在型で、自炊可能なホテルが多いからだと思います。 |
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私たちが利用したマヤン・プリンセス・ホテルも、部屋はやけに広くてキッチン&調理道具、食器類完備でした。こんなホテルですから、当然のごとくレストランは併設されていません。朝食だけは簡単なマフィンと食パン、そしてコーヒーと果物が用意されます。周囲に飲食店はいっぱいあるので、不便は感じません。
ホテルの前が海なのですが、ダイビング・ショップは二つありました。ダイブ・ポイントは殆どボートで10〜15分程度の近場にあります。一度、ベリーズ・シティに船で戻ったのですが、その時に別の島・キー・カーカーに立ち寄りました。船から眺めた島の風景はサン・ペドロより素朴でした。潜ったらけっこう綺麗なのかもしれません。 |
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さて、キー・カーカーに立ち寄った日。実はマヤ遺跡の観光に出向くためでした。サン・ペドロ8時30分発の海上タクシーで出発。ベリーズ・シティまでは2時間ちょっとです。そこから現地のガイドさんと合流して、マヤ遺跡に向かいます。ベリーズに残るマヤ遺跡は20以上もあるそうで、カラコルやシュナントニッチが大きくて有名らしいですが、私たちが訪れたのは「アルトゥン・ハ」という遺跡。この遺跡は右上のベリーズのオリジナル・ビール「ベリキン」のロゴにも使用されています。
港からアルトゥン・ハ遺跡へ走ること約1時間。突然、いかにも観光地!のようなところに。そこがアルトゥン・ハでした。 |
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遺跡には登ることが出来ます。出来るのですが、遺跡にある階段の急なこと! 何とか登ったのですが降りるのがこれまた恐ろしい。メインの寺院は、流石に階段の数も多いので、昇降専用の階段が別に設えてありました。
この時期、ベリーズはマンゴーの最盛期だったようで、道すがらあちこちでマンゴーを売っていました。途中で買ってもらったら10個ほどでUS$6でした。なんか色味も悪いしやけに安いし、たいして美味くないだろうと思っていたら意外や意外。とっても美味しかったです。その他、色んな果物(日本には無い)を試食させてもらったのですが、どれも美味くなかったです。 |
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【ダイビング・ログ】 |
★4月30日(土曜) アミーゴ・キャニオン
気温:29度 水底温度:29.0度 透明度:20m 潜行開始:8時57分 浮上時刻:9時50分 潜水時間:53分 平均水深:16.3m 最大水深:25.4m 波:うねり少々 快晴
観られた生物:ナースシャークたくさん、ブラックグルーパー、ナッソーグルーパー、ポークフィッシュ、アオウミガメ、クリオールラス、イエローテールスナッパー、ストップライトパロットフィッシュ、グレイエンジェルフィッシュほか |
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★4月30日(土曜) ビクトリア
気温:31度 水底温度:29.8度 透明度:15m 潜行開始:11時03分 浮上時刻:11時56分 潜水時間:53分 平均水深:13.6m 最大水深:19.0m 波:うねり少々 快晴
観られた生物:グルーパー色々、ナースシャークたくさん、バンドウイルカ、ポークフィッシュ、ハコフグ、ヘラヤガラほか |
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★5月1日(日曜) ブルーホール
気温:30度 水底温度:26.3度 透明度:15m 潜行開始:9時24分 浮上時刻:9時54分 潜水時間:30分 平均水深:18.3m 最大水深:40.6m 波:無し 快晴
観られた生物:グレイエンジェルフィッシュ、フレンチエンジェルフィッシュ、グレイリーフシャーク、鍾乳石ほか |
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★5月1日(日曜) ハーフムーンウォール
気温:30度 水底温度:29.6度 透明度:25m 潜行開始:10時41分 浮上時刻:11時42分 潜水時間:55分 平均水深:13.5m 最大水深:21.2m 波:うねり少々 快晴
観られた生物:アオウミガメ、グルーパー色々、ウツボ、フレンチグラントほか |
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★5月1日(日曜)
イーグルレイウォール、アクアリウム
気温:30度 水底温度:28.6度 透明度:20m 潜行開始:13時40分 浮上時刻:14時41分 潜水時間:61分 平均水深:13.6m 最大水深:21.8m 波:うねり少々 快晴
観られた生物:スポテッドドラム、バラクーダ、ターポン、ポークフィッシュほか |
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★5月3日(火曜) シャークウォール
気温:30度 水底温度:29.0度 透明度:20m 潜行開始:9時16分 浮上時刻:10時10分 潜水時間:54分 平均水深:16.2m 最大水深:23.4m 波:うねり 快晴
観られた生物:ナースシャーク、大きなイセエビ、ハタ色々、アオウミガメ、スコーラウフィッシュほか |
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★5月3日(火曜)
エメロンキャニオン・エスメラルダ
気温:30度 水底温度:28.9度 透明度:20m 潜行開始:11時15分 浮上時刻:12時05分 潜水時間:50分 平均水深:13.3m 最大水深:17.6m 波:うねり 快晴
観られた生物:フォアアイバタフライフィッシュ、レッドバンドパロットフィッシュ、タイガーグルーパー、ナッソーグルーパー、ストップライトパロットフィッシュほか |
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★5月4日(水曜)
イーグルレイキャニオン
気温:29度 水底温度:29.0度 透明度:20m 潜行開始:9時08分 浮上時刻:10時01分 潜水時間:53分 平均水深:15.8m 最大水深:24.4m 波:うねり 快晴
観られた生物:マダラトビエイ、スポテッドドラム、ポークフィッシュ、グレイエンジェルフィッシュ、アオウミガメ、ギンガメアジほか |
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★5月4日(水曜) ボッカ・デ・リオ
気温:29度 水底温度:28.9度 透明度:30m 潜行開始:11時08分 浮上時刻:12時02分 潜水時間:54分 平均水深:13.2m 最大水深:19.4m 波:うねり 快晴
観られた生物:ナースシャーク、クィーントリガーフィッシュ、グルーパー色々、アオウミガメ、グレイエンジェルフィッシュ、ロックビューティー、スポテッドドラム、バラクーダ、アオウミガメ、アオリイカほか |
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【後記】 |
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日本との時差14時間。ほぼ日本の裏側に位置するベリーズは、未だに自然が多く残る国です。海中も凄いですが、ジャングルにはトラもいるそうです。遺跡ツアーに行った際には大きなバクが逃げてきて道路上を走って行くのに遭遇しました。川にはワニが居て少年が小さなワニを抱えて歩いていました。
人種は雑多なのに生活感やリズムは一緒という感じで、なんか不思議な国でもありありました。白人、黒人そしてマヤ民族とまさに人種は様々なのに、統一感があるのは何故でしょう。ラテンの国だから、で結論づけるのは無理があるような気がします。
帰路、一度は訪れてみたかったニューヨークに立ち寄りました。東京に比べて小さな都市(エリアが)だなとは思いましたが、世界の金融を動かし政治を主導し(ワシントンですが)、大国アメリカを、そして世界を引っ張っていってるのだという活力は、そこかしこに見て取れました。セントラルパークにしても無料で乗船できるスタテンアイランド・フェリーにしても市民重視の政策がいかにもアメリカらしかった。
自由の女神もタイムズスクエアも、そして大好きな映画『めぐりあい』に出てくるエンパイアステートビルも長い歴史の中で未だにそのまま残っていることも感嘆ものでした。 (2011年5月・記) |
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