世界最大の豪華客船・オアシス・オブ・ザ・シーズ

メキシコはコスメル島で2013年のゴールデンウィークを過ごしてきました。
5年前の2008年7月、この島へ渡る玄関口のプラヤデルカルメンに滞在し、1日だけデイトリップでこの島にも渡ったのですが、その時はバディがまだ未熟でドリフトダイブに入る前に潮に上手く乗ることが出来ず(ショップのガイディングも下手だった)、結局潜れずに島を後にしたのでした。
きっとバディにしてみれば嫌な思い出が残るであろうそんな島に、そのバディ自らが行きたいと言い出したのには少々驚きましたが、私としてはちょこっと顔を浸した程度しか覗いていないコスメルの海ですから、異を唱えることもありません。
ということで今回は、この島にずっと逗留しコスメル島でのダイビングだけを目的に行くことになったのでした。

メキシコに行くには、便が多いアメリカ経由が一般的でしょう。私たちは成田発のアメリカン航空を利用してダラス経由でカンクンへと飛びました。
成田発が午前11:30なので自宅を7時20分に出ました。私鉄、JRと乗り継いで日暮里から京成スカイライナーで成田空港へ。空港の搭乗カウンターへ行くと既に長蛇の列が。搭乗手続きを終えると飛行機は成田を定刻で飛び立ちました。
ダラスまでの飛行時間は約13時間。ダラスで2時間弱の乗り継ぎ時間を経てカンクンまでのフライトは約2時間30分。カンクンからは車でプラヤデルカルメンまでひた走ること約45分。そしてプラヤデルカルメンからフェリーに乗りコスメルまでは40分ほどです。
運良く15時出航のフェリーに間に合い(17時便に乗る手はずだった)、逗留先のホテルには16時30分に到着しました。日本時間では朝の6時30分です。家を出てからほぼ24時間近くかかったことになります。
当初、ホテルは利用するダイビングショップに一番近いフェイスタを利用する予定でしたが、直前に改修工事が入ってしまって急きょ変更。パークロイヤルコスメルを利用する事になりました。このホテル、とても大きい(広い)。レストランから部屋に戻るにもプライベートビーチへと出向くにもかなり距離があり、エントランスからダイビング機材を部屋に運ぶのも大変だったので、その都度ポーターを利用することになりました。
5年前に来たときは、ジンベエザメとのシュノーケリングが一番の目的だったのですが、今回はコスメルでのダイビングをメインに帰りがけに機材の潮抜きを兼ねてセノーテで潜り、リゾート地として名高いカンクンに一泊することにしました。
カンクンは想像していたとおりのリゾート地で、わたし的にはあまり好みの場所ではなかったですが、その規模は目を見張るものがありました。何もせずにただノンビリと贅沢にすごすにはカンクンは素晴らしいところだと思います。

さて、話しを戻して5年ぶりに訪れたコスメルですが、随分と変わっていたのには驚きました。
プラヤの町も綺麗になっていて驚きましたが、それ以上にコスメルが車だらけになっていてビックリしました。5年前に来たときは車などはほんの少ししか走ってなくて殆どが馬車だったのに、今ではその観光用の馬車も減りタクシーが溢れてました。
コスメルのタクシーにはメーターがありません。何処から何処に行くか…で料金が決まっています。たまたま乗ったタクシーは、下車の際に料金を聞いたら「ちょっと待て」とドライバーが施設に張ってあった料金表を確認しに行ってました。この島でボラれる事はまず無さそうですが、心配だったら乗車の際に料金を聞くと良いでしょう。ちなみにタクシーは全て個人所有物だそうです。なので車種はまちまちでした。
カンクンからプラヤデルカルメンへ向かう グーグルマップで見てもらうと解りやすいですが、コスメルでは港周辺と西側にホテルが立ち並び、島の東側には特に何もありません(その海の向こうはキューバです!)。
港周辺はダウンタウンと呼ばれています。お店がたくさんあって島で一番活気があるエリアです。
利用したホテル・パークロイヤルは、このダウンタウンから車で3分ほどでした。チャンカナブ国立公園にも行きましたが、ホテルからは$10でした。
そうそう! メキシコの通貨はメキシコペソですがアメリカドルも普通に使えます。なので私たちはメキシコペソへの換金はしませんでした。
困るのが値段の表示で、頭に$マークが付いていても値段はペソだったりします。
昨年(2012年)造られたというプラヤデルカルメンのモニュメント
お店で値段を見たらやけに高いので、確認したらペソでした。(この時$1=約100円=約12ペソ)
貨幣に関してもうひとつ。こちらはチップ制です。タクシーなどは特に重い荷物の取り扱いでもお願いしない限りチップは必要無いようですが、ホテルやレストランなど基本的にチップが必要です。
チップを忘れると厳しく要求されることもあります。聞いたところでは、レストランやその他サービスを行う人達は、基本的に給料を貰って無くてチップが唯一の収入源なんだそうです。なのでダイビングクルーにもチップが必要になります。
チップついでにもう一つ。プラヤデルカルメンでもコスメルでもフェリー乗り場周辺に小さなリヤカーを前に付けた自転車がいます。
プラヤデルカルメンのビーチ このリヤカー自転車は港周辺のポーターで、荷物ひとつに付き$1で運んでくれます。プラヤデルカルメンの桟橋はけっこう長く、路面もデコボコなのでこのポーターにお願いした方が無難です。
フェリーはそこそこ大きい船なのですが、港を離れるとかなり揺れます。乗船時間はたった40分ほどですが、地元の人でもゲロゲロしてましたので、船に弱い人は乗船前に酔い止めの薬を飲まれることをお薦めします。船上ではビールや簡単なスナックなどの販売もあります。行きのフェリーでは陽気なバンド演奏もありました。このページの最上段に使用してるカットの船はこのフェリーではありません、念のため。昨年(2112年)まで世界で一番大きな客船だったOasis of the Seasです。
6300人が乗船できるというオアシス・オブ・ザ・シーズ たまたま私たちが滞在中にクルーズでコスメルに立ち寄っていました。ちょうどホテルの真ん前が大型船の停泊場所で、この世界一の船の他にも2艘のクルーズ船が停泊していました(この船が巨大過ぎて後ろの船が見えない!)。あまりに大きいのでウィキッてみたところ、総客室数は2,706室でプールが4つもあるばかりか、1380席の大型劇場やゴルフ場まであるそうな。
ダイビング2日目に、この船でクルーズされてる日本の方がダイビングしに下船され一緒になった。ダイビングクルーズの話題で盛り上がったけれど(私は未経験)、なんか優雅で羨ましかったです。
チャンカナブ国立公園へはパークロイヤルホテルからはタクシーで10分ほど、フェイスタからなら3分ほどで行けます。
ホテルのエントランスにあったチャックモール
チャンカナブ国立公園ではイルカと一緒にシュノーケリングしたり、ダイビングして海中でキスして貰ったり抱っこさせて貰ったり出来ます。バディが行きたいというので行ってみました。ちょうど赤ちゃんイルカが生まれた直後で(写真右)、出来ればそっちのプールに潜らせて欲しかったけれどさすがにそれはダメでした。
チャンカナブ国立公園では他にもキリスト像などが沈む海域でのダイビングも出来ます。この時に利用したダイビングショップ(ダイブハウス)は、基本が午前中に2本潜ってお昼過ぎには戻ってくるスケジュールだったので、2日に分けチャンカナブで潜る予定でいました。しかし、2日目から西風が強くなり3日目には朝予定したダイビングも港閉鎖でスタートが遅れ、中止にしました。
エサをねだるイルカの親子 潜る時間はあったのですが、波がかなり高かったのでビーチダイブではきっとニゴニゴになってるだろうと中止にしたのでした。

コスメルでのダイビングは、基本的にドリフトダイブがほとんです。潮の流れは潮目とは関係なく、現地の人でも判らないようで、同じポイントでも日によって流れが無かったり激流になったりするそうです。幸い私たち滞在中は、西風で波が高かったものの連日ゆったりと流れる快適なドリフトダイブを堪能できました。結局、コスメルでは4泊して7本潜りました。帰路、カンクンからの飛行機が朝の7時フライトと早いのでコスメルからでは間に合わず、カンクンで宿泊することになりました。
イルカの餌のおこぼれを狙ってるペリカン せっかく世界でも有数のリゾート地に泊まるのですから、サッサとカンクンに向かっても良かったのですが、先にも書いたように私にはあまり趣味ではないので、機材の潮抜きを兼ねてセノーテ(淡水地底湖)に潜ってから行くことにしました。セノーテには5年前に来たときも潜っているので別のポイントをリクエストしたのですが、結局5年間潜ったドスオホスに再度潜ることになりました。プラヤからドスオホスまでは車で30分ほどです。
ドスオホスも着いてみたら様変わりしていて驚きました。汚いトイレと中が丸見えの脱衣所くらいしか無かったのに、お土産物売ってるお店まで出来てました。セノーテのガイド・ダイバーが、そのお店で売っていたTシャツをお土産に買ってくれました。
セノーテでのダイビングを終了し、カンクンへ出発。半島と行って良いのか分かりませんが、カンクンのホテルが林立するエリアに車が入っていくと、東側に美しい白砂の浜辺が広がってきます。この一角に、地元の人々も休日には集うドルフィンビーチがあります。
この美しい砂浜もウィルマと命名されたハリケーンがこの地を直撃して根こそぎ砂を持って行ってしい、今ある美しい白砂は、その後に持ってきたものだったとうっすらと記憶しています。
寝るだけのために予約したホテルはクリスタルカンクン。チェックインし、部屋に濡れた機材を広げ(高層ホテルのためかベランダが無い)、エアコンを最強にしてお土産探しに出かけました。
クリスタルホテルからカンクン・ビーチを望む まるで上野のアメ横のようにお土産屋が乱立してます。店の前を歩くとどの店も呼び込みに必死です。絨毯爆撃のような呼び込みをあしらいながらお店を冷やかしていたら、突然陽気な一団が踊り出してきました。これがカンクンなんだと思いました(クリックすると動画が見れます)。
テキーラと組木細工のお土産を買い求め、目に付いたアルゼンチン料理のお店で夕食としました。量がハンパなく多くて、一人前でも二人で食べ切れませんでした。
翌朝、というかその日の深夜3時にモーニングコールをお願いし、4時にホテルをチェックアウト、空港へと向かいました。カンクンから空港までは車で30分ほどでした。

【ダイビング・ログ】
●5月2日
【Palacar Gardens】
気温:29度 水底温度:29.6度 透明度:25m 流れ:ナシ
潜行開始:9時27分 浮上時刻:10時43分 潜水時間:51分 
平均水深:14.8m 最大水深:24.7m 
快晴

【Punta Tunichi】
気温:30度 水底温度:28.5度 透明度:25m 流れ:強
潜行開始:11時16分 浮上時刻:12時08分 潜水時間:52分 
平均水深:12.5m 最大水深:201.1m 
快晴
●5月3日
【Cedral Wall】
気温:28度 水底温度:28.7度 透明度:25m 流れ:少し
潜行開始:9時16分 浮上時刻:10時07分 潜水時間:51分 
平均水深:14.6m 最大水深:23.3m 
快晴

【Caldona】
気温:30度 水底温度:28.9度 透明度:30m 流れ:中
潜行開始:11時11分 浮上時刻:12時16分 潜水時間:65分 
平均水深:10.6m 最大水深:14.6m 
快晴

【Chankanaab Dolphin】
気温:31度 水底温度:28.8度 透明度:10m 流れ:ナシ
潜行開始:14時44分 浮上時刻:15時19分 潜水時間:35分 
平均水深:6.3m 最大水深:7.0m 
快晴
●5月4日
【Santa Rosa】
気温:29度 水底温度:28.5度 透明度:30m 流れ:少し
潜行開始:10時14分 浮上時刻:11時13分 潜水時間:59分 
平均水深:14.6m 最大水深:23.9m 
快晴

【Tormentos】
気温:31度 水底温度:28.4度 透明度:20m 流れ:少し
潜行開始:12時05分 浮上時刻:12時58分 潜水時間:53分 
平均水深:12.0m 最大水深:17.0m 
快晴
●5月5日
【Cenote Dos ojos Barbieline】
気温:28度 水底温度:25.7度 
透明度:80m(?)
潜行開始:11時34分 浮上時刻:12時21分 潜水時間:47分 
平均水深:4.7m 最大水深:8.3m 
快晴

【Cenote Dos ojos Batcave】
気温:29度 水底温度:25.6度 
透明度:80m(?)
潜行開始:13時17分 浮上時刻:14時10分 潜水時間:53分 
平均水深:4.6m 最大水深:9.7m 
快晴






パークロイヤルホテルのプライベートビーチ 【後記】

旅に出て、何が嫌かと言えば食事が不味いこととゆっくり眠れないことだろうと思う。色んな国を訪問したけれど、その中でメキシコは料理が美味しいのが魅力だ。今回、バディは「不味かった」と言っていたけれど、私はそうでもなかった。確かにホテル(パークロイヤル)がオールインクルーシブでブッフェ・スタイルがメインだったから、料理としてはワンランク下ではあったけれど、それでも某国に比べれば断然美味しかった。
丸一日をかけないと行けない遠い国ではあるけれど、きっとまた行くだろうと思う。食事もさることながら、明るい国民性も好きだし何たって海が素晴らしい! いくつかトラブルもあったけれど、そんなものはいずれ旅の良い想い出になってしまうことだろう。

(2013年5月・記)