ウベア、という島をご存じですか? ニューカレドニアの北東にポツンと浮かぶ島です。森村桂さんが書いた小説「天国にいちばん近い島」の主人公がやっと見つけた島…といえば「あ〜、あの島か!」と思い出してくれる方もいるでしょう。
私たちがこの島に降り立った時、まさに息を飲む美しさに私は一瞬、本当に呼吸をするのを忘れました。どこまでも続く真っ白な砂浜には、私たち家族の姿しか見えず、海はまさにエメラルド・グリーン。波打ち際には打ち上げられた貝殻やサンゴがいっぱい落ちていました。
ムレの橋の上で、釣りをしたり貝殻を拾ったりするうちに、時間はアッという間に過ぎてしまいました。まるで時間が止まったような島なのに、私たちの時間は数倍早く過ぎて行ってしまったようです。

ニューカレドニアは日本の南南東、オーストラリアの東方に位置します。ちょっと小さくて見づらいですが、右の地図の右端上囲みが日本とニューカレドニアとの位置関係です。
成田からは約8時間のフライトで、本島であるグランドテール島のトントゥータ国際空港に到着します。ウベアをはじめとする各離島には、まずここから車で約1時間をかけて市街地のヌメア
に入らなければなりません。
ヌメアの東の外れにマジェンタ空港があり、そこからのフライトとなります。
このローカル空港は地元の人々でいつもごった返していました。人が集まれば当然、お店も出来るわけで、この空港で食べたつくねのような、焼き鳥のようなものは大変美味でした。
これはウベア島とムレ島を結ぶムレ橋の下、ムレ島の砂浜からウベア島を眺めた写真です。
目の前の海峡は流れが速く、遊泳は非常に危険です。ですが、そのために大きな魚が良く釣れます。時々、マンタやハンマーヘッドシャークもこの海峡を行き来するそうです。私たちは半日、釣りを楽しみました。残念なことに大物は釣れませんでしたが、何度か針に掛かり糸を切られました。
この写真はイル・デ・パン島のピッシンヌ・ナチュレルに向かう道です。写真彼方の中央左側に白く波しぶきが上がっているのが解りますか? ここは満潮時に外洋と繋がりますが、干潮時はご覧の通り。天然のプールになります。当然、サカナ達も閉じこめられてしまいます。潮が引くに従いサカナ達の領域がどんどん狭くなるので、まるで水族館の中で泳ぐ感じです。超過密な人工…ならぬ魚工の中で泳ぐものだから、身体に魚がぶつかります。
ピッシンヌ・ナチュレル入り口のレストラン ウベア本島からムレ島を望む
ヌメア・クエンドビーチからの夕景 イル・デ・パン島、クト湾に沈む夕日

ニューカレドニアに行った1998年、私はまだダイビングのライセンスを取得していませんでした。美しい海を目の前にして、つくづくライセンスを持っていたら…と悔やみました(その結果、帰国後すぐにライセンスを取得したのですが)。
下の写真はイル・デ・パンのピッシンヌ・ナチュレルにいたサカナ達です。シュノーケリングで、しかも市販の水中撮影可能な撮りっきりカメラで写したものです。やはりデジタルカメラに比べれば写りはイマイチですが、水深1〜2メートルの海中でもこんなサカナ達に会えるのが素晴らしいです。