かれこれ5~6年前だったろうか。
テレビ番組でこの地のダイビングを紹介していた。
レポーターは『海猿』の
伊藤英明だった。
その彼のレポートも良かったのだけど、
その時紹介された海中世界の素晴らしかったこと。
以来、いつかはここで潜りたい、と思っていたのだけど、
いかんせん遠い。日本からは丸一日以上かかるのだ。
するとこの年(2019年)、令和元年を迎えると共に
なんと10連休というプレゼントを戴けた。
このチャンスを逃すわけにはいかなかった
 
成田発も候補に入れれば、きっともっと効率の良い飛行ルートもあったのかもしれないけど、東京西部に住む私たちとしてはやはり羽田発が望ましい。なにせ携行するバッグは大きくしかも3つ。機内持ち込みの手荷物も合わせれば合計5つものバッグだ。以前は大きな荷物は事前に空港まで宅配便を利用していたけれど、バッグ3つを宅配するなら自宅から空港までの定額タクシーを利用した方が楽で便利だ。そうなると空港はやはり羽田空港発となる。
4月27日の土曜日。8時30分で予約したタクシーに乗り込み羽田に向かう。羽田発11:45のガルーダインドネシア航空は定時に離陸した。ジャカルタまでは約7時間30分、到着は現地時間の17時15分。ジャカルタ・スカルノハッタ国際空港でソロン行きの国内線に乗り継ぐのだが、出発は0時30分。それまで空港内で時間をつぶす。しかし、このスカルノハッタ国際空港はバカみたいにでかい! いやだだっ広い。国際線の到着ロビーから国内線の乗り継ぎターミナルまで30分以上歩いた。iPhoneの歩数計見たら空港内だけで8000歩以上歩いていた。乗り継ぎ時間が1時間未満だったらヤバいだろうなぁ。
 
 
ちなみに行きはジャカルタで一回の乗り継ぎだけだったけど、帰りは乗り継ぎ便の関係でソロン→マカッサル→ジャカルタと乗り継ぎが2回になった。
ラジャアンパットというエリアは国としてはインドネシアに属するのだけど、ほぼ日本の真南に位置するパプアニューギニアに隣接する。なので現地の陸地は前年に訪れたパプアニューギニアを彷彿させた。空港で6時間あまりをつぶし、ジャカルタからソロンまでは約4時間のフライト。ソロンと日本とは右上の地図を見ても判るように経度は日本の広島あたり。なので時差はない。
ソロンの空港から港までは車で15分ほどなのだが、次の便での到着客を待つため途中のホテル(スイス・ベル・ホテル)で待機させられた。ソロンの港からリゾートまではスピードボートで約1時間30分。リゾートに到着したときは午後1時を過ぎていた。家を出てから30時間が過ぎていた。
利用した宿泊先はパプアエクスプローラーダイブリゾート。全室水上コテージ・タイプのホテル。ダイビング客がほとんどだろうと思っていたら、おじいちゃんお婆ちゃん、そして子供連れでリゾートとして利用してるフランス人家族もあった。しかし行きの送迎ボートで会ったきり、部屋は隣なのに一度もお婆ちゃんの姿を見かけなかった。いったい何処で何をしてたんだろう?
この宿泊施設そのものが自然の真っただ中にあるようなものだから、周囲には色んな鳥が飛び交っている。なんか鳥以外の動物もいるようで、食べ物を部屋に持ち込まないでと注意された。レストランに鍵付きの保管場所があるのでそこに入れておくのだが、それを無視して部屋に持ち込んだ人がある日チョコレートが食べられていたそうな。猿でもいるのかもしれない。
 
リゾートの部屋は広く、バルコニーにはリクライニングチェアーやハンモックもあった。しかし私たちの滞在中、昼間はドピーカンの晴天なのに、夜半に雨が降ることがたびたびあって、チェアもハンモックも濡れてしまって利用できなかった。部屋が広いので使い勝手は良いのだけれど、照明が暗いのが難点。そもそも湿度の高い所のようだけど部屋にはファンは付いてはいるけどエアコンが無いのでジメジメしている。カラリと晴れた日など、バルコニーの窓を開けておけば爽やかな海風が入ってきて過ごしやすい。だから寝るときもバルコニーの窓は開けっ放しにしていた。
リゾート到着時にお土産にもなる名前入りの個人用ボトルをくれた(私はこれを忘れてきてしまったけど)。部屋の中、レストラン、そしてダイブセンターには飲み水用のウォーターサーバーが設置されているので、その都度自分のボトルに飲み水を入れて持ち運べるのは便利。
部屋の洗面所などシャワーも地下からの汲み水だそうで、ちょっと塩っぽい。なので身体を洗ってシャワーしてもサッパリ感に乏しかった。
ジェティーの先端にあるダイブセンターにはカメラルームもあるのだけれど、残念ながらこちらにもエアコンは入っていない。扇風機も無かったので、私は連日カメラを部屋まで持ち帰って部屋にあったサーキュレーターでハウジングを乾かしていた。しかしダイブセンターの横にあるカメラルームから部屋のコテージまではけっこう遠い。私たちの部屋はNo.2だったのでまだ近い方だったけど、ダイビングのたびにカメラ機材を運ぶのはちょっとしんどかった。でもスタッフは優しくて、たびたび私のカメラを運んでくれた。
上の写真がレストラン。食事は朝食7時、昼食1時、夕食7時と決まっていて、すべてブッフェスタイル。味はまぁまぁ。
  アルコール類はビールやワインが用意されていて簡単なカクテルも作ってもらえるようだった。
ちなみにこのレストラン下で夜な夜な歩くサメ・エポレットシャークが姿を現していた。と言っても私は食後は早々に部屋に戻っていたので上から姿を見たのは一度だけ。海中で会ったのもこのレストランの先のハウスリーフでだった。そもそもこのハウスリーフ、魚影も濃くてとても楽しめる。滅多にナイトダイブをしない私が2度も潜っちゃった。
このリゾートは、基本ダイバー向けに運営されてはいるけれど、アイランドツアーやバードウォッチング・ツアー、マッサージなどのサービスもある。ゲストには15分のサービス・マッサージもしてくれた。
 滞在4日目に私たちはパッセージといういかにもラジャアンパット然としたエリアにツアーで出向いた。
パッセージ
(動画見られます)はワイゲオ島とガム島の海峡にあって、両岸が迫り川のような景色が続く。実際、ところどころ川のように激流になっていた。川のようではあっても当然海水。 
このエリア、かつてはダイビング出来たそうでケーブダイブも出来るポイントもあるそうだが、ワニが出没するようになっていまはダイビングもシュノーケリングも禁止。体長2㍍ほどにもなるというワニの姿を見てみたかったけれど、残念ながら会えなかった。オオコウモリが生息する洞くつにも連れていってくれた。
パプアエクスプローラーダイブリゾートでは、無料でナイトロックスのタンクを貸し出してくれる。またノーデコ・ダイブを徹底しているのもいい。しかし、どういうわけか二日目からガイドをしてくれたマリオ君は潜るたびにデコストップ。私はそれほど気にもしないけれどバディ(かみさん)が嫌がってダイビングをまとめているビンセントにその事を話したらビンセントはいたく恐縮してその次からはガイドがアプリ君に変更になった。ちなみにこちらのガイドはみな驚異的に視力が良い。そしてとてもフレンドリーだ。
この地は地震も多く、昨年(2018年)もかなりの被害が出た記憶がある。そのためにリゾートの裏手には地震の時の避難場所があった。リゾートから階段を昇って10分ほど。標高はさほど高くはないけれど、津波から逃げることはできそうだった。ちょっとした見晴台のようになっていて、事実リゾート側も“見晴台”と記してあったけど、見晴らしはちっとも良くなかった。ちなみにこのリゾートは小型ボートが4艘ほどと送迎用の高速船、それ以外にもダイブクルーズ用の大型帆船がある。クルーズ船は私たちの滞在中ずっとリゾート沖合に碇泊していた。
飛行機内泊も含めて都合9泊10日のラジャアンパットは、あっという間だった。次回また訪れる機会があったなら、今度はもう少し気候がサラッとした時期に行ってみたい。とはいえ、9日間の滞在中、ほとんどが好天で、その点はほんとうに恵まれていた。
 
【ダイビング・ログ】  ※ログ横の写真は水面休息で立ち寄った所です
4月28日 快晴
ハウスリーフ
 気温:32度 水底温度:29.4度 潜行開始:16時34分 浮上時刻:17時26分 潜水時間:52分 平均水深:12.0m 最大水深:19.5m  (寝不足で足がつった)
4月29日 快晴
・ ウェストモンシュア
 気温:32度 水底温度:29.5度 潜行開始:8時48分 浮上時刻:9時44分 潜水時間:56分 平均水深:16.9m 最大水深:25.8m 
・ サワンダレク 気温:32度 水底温度:30.1度 潜行開始:11時16分 浮上時刻:12時17分 潜水時間:61分 平均水深:16.3m 最大水深:27.4m 
・ チキンリーフ 気温:33度 水底温度:29.8度 潜行開始:15時42分 浮上時刻:16時45分 潜水時間:63分 平均水深:16.1m 最大水深:28.4m 
4月30日 曇り時々雨
・ イェンブーバ
 気温:27度 水底温度:29.0度 潜行開始:8時47分 浮上時刻:9時52分 潜水時間:65分 平均水深:15.7m 最大水深:27.8m 
・ ランシウォー 気温:27度 水底温度:29.8度 潜行開始:11時07分 浮上時刻:12時13分 潜水時間:66分 平均水深:14.1m 最大水深:23.6m 
・ クブラン 気温:27度 水底温度:29.9度 潜行開始:15時34分 浮上時刻:16時32分 潜水時間:58分 平均水深:16.3m 最大水深:22.1m 
 
5月1日 曇り
・ フリエンウォール
 気温:28度 水底温度:29.8度 潜行開始:8時49分 浮上時刻:9時55分 潜水時間:70分 平均水深:16.2m 最大水深:23.2m 
・ マイクスポイント 気温:28度 水底温度:29.2度 潜行開始:11時22分 浮上時刻:12時20分 潜水時間:58分 平均水深:15.5m 最大水深:27.1m 
イェンブーバ 気温:29度 水底温度:29.3度 潜行開始:15時35分 浮上時刻:16時44分 潜水時間:69分 平均水深:14.2m 最大水深:24.7m
5月2日 晴れ
・ バツカニングリッジ
 気温:30度 水底温度:29.4度 潜行開始:9時02分 浮上時刻:10時07分 潜水時間:65分 平均水深:11.2m 最大水深:26.9m 
・ ワスラールリーフ 気温:31度 水底温度:30.3度 潜行開始:11時19分 浮上時刻:12時23分 潜水時間:64分 平均水深:13.4m 最大水深:23.3m 
・ パッセージ
マンダリンポイント→ハウスリーフ 気温:28度 水底温度:29.3度 潜行開始:18時06分 浮上時刻:19時12分 潜水時間:66分 平均水深:9.6m 最大水深:18.8m
 
5月3日 快晴
マンタロック 気温:32度 水底温度:29.9度 潜行開始:8時38分 浮上時刻:9時43分 潜水時間:65分 平均水深:14.7m 最大水深:19.9m ※ブログページへ
・ アルボレック 気温:32度 水底温度:29.0度 潜行開始:11時11分 浮上時刻:12時18分 潜水時間:67分 平均水深:12.6m 最大水深:17.6m 
ランスウォール 気温:30度 水底温度:28.9度 潜行開始:15時43分 浮上時刻:16時23分 潜水時間:40分 平均水深:11.0m 最大水深:14.6m (かあさん、カサゴに刺される)
マンダリンポイント→ハウスリーフ 気温:27度 水底温度:29.3度 潜行開始:18時03分 浮上時刻:19時02分 潜水時間:59分 平均水深:11.3m 最大水深:19.2m
 
 
5月4日 快晴
・ ケープクリ
 気温:28度 水底温度:28.7度 潜行開始:8時41分 浮上時刻:9時43分 潜水時間:62分 平均水深:15.8m 最大水深:21.5m 
・ サーディンズリーフ 気温:29度 水底温度:28.7度 潜行開始:10時46分 浮上時刻:11時47分 潜水時間:61分 平均水深:13.1m 最大水深:19.2m 
 2019年5月 記